前場で買って後場で売る戦略をこれから取っても、利益を得るのは難しい?

 前場で買って後場で売るという戦略を行う投資家がすでに多くいると思われる中、これから日経平均株価を前場の終値で買って後場の終値で売却する戦略を取っていったときにうまくいくのかについて、見ていきたいと思います。

 2017年以降において、日銀がETFを購入した日数、1日あたりの後場の騰落幅・率の平均値は次のようになっています。

2017年:78日、+15.16円、+0.075%
2018年:87日、+15.92円、+0.065%
2019年:58日、+42.40円、+0.201%
2020年:66日、+14.45円、+0.083%
(2020年は1~10月)

 日銀がETFを購入した日の後場の日経平均株価の値動きは、年間の累計値でみるとそれなりに大きいですが、1日あたりで見るとごくわずかな値となっています。

 しいて言えば、2019年は1日あたり+42.40円、+0.201%なので、手数料を差し引いてもかろうじて利益は残るかもしれませんが、2019年以外の年は、1日あたりの騰落率は+0.1%以下なので、手数料を考えると、利益はほぼなくなってしまうと思われます。

 また、実際の投資対象は日経平均株価そのものではなく、日経平均先物や日経225ETFになってくるので、同じようなことを考えて行動する人が多くいればいるほど、利幅も小さくなってしまうでしょう。

 読者の方には期待をさせてしまい申し訳ございませんが、残念ながら、前場の終値で買って後場の終値で売る戦略は既にそのような動きをしている投資家が多いと思われるため、利益を得ていくことは難しいように思います。

 投資はあくまでも自己責任で。

★今回の記事『検証!日銀のETF買いの日、前場終値で日経平均を買い後場終値で売却すると利益は出るか』のオンライン解説を、11月23日(月・祝)17:00~17:30に行います(参加費無料)。
お申込みはこちらから!(マネーブレインWebサイト)