適切なタイミングでの損切りが絶対に必要

 高値で買った株が大きく値下がりしてしまったとき、損切りせずにそのまま保有を続けている方も少なくないと思います。しかし中小型成長株へ投資する場合は、適切なタイミングでの損切りが絶対に必要です。

 なぜなら、その銘柄がつけた高値というのは、バブルの頂点であるかもしれないからです。

 コロナ・ショック以降、中小型成長株やコロナメリット銘柄の中には、短期間で株価が急騰し、PER(株価収益率)が百倍を大きく超えたものが目立ちました。

 PER100倍というのは、毎年50%の利益成長が続くくらいのレベルでないと正当化できないのですが、今回の上昇ではPER100倍どころか200倍、300倍、中には1,000倍を超える銘柄まで出てきているのです。

 これは控えめに言っても「バブル」であると言わざるを得ません。バブルで最も怖いのが、高値づかみした株を損切りせずに持ち続け、多額の含み損を抱えた塩漬け株だらけになることです。

 もし今回の高値がバブルの頂点だとすれば、そこから株価が5分の1、10分の1に値下がりすることも大いにあり得ます。それをずっと我慢して持ち続けていたら、含み損が大きくなってしまいますし、何十年持ち続けても全く買い値に届かない、という羽目になりかねません。

 でも、適切なタイミング、例えば25日移動平均線割れの直後とか、買値から10%値下がりした水準でしっかり損切りができていれば、損失も小さくて済みます。さらには、売却したことにより生まれたキャッシュを使って、より良いタイミングでより良い株へ投資することができるのです。