中長期の日経平均。強気でいられる期間は長くない?

 最後に、日経平均を中長期の視点でもチェックしていきます。

■(図4)日経平均(日足)とギャンアングル(2020年11月6日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図4は、コロナショック時の安値である3月19日を起点としたギャンアングル(赤色)と、昨年8月26日を起点とした、コロナショックで下落する前の上昇トレンド時のギャンアングル(青色)を併せて描いたものです。

 先週の株価上昇によって、下抜けてしまった赤いギャンアングルの3×1ラインを回復してきましたので、しばらくはこのラインを維持しつつ、青いギャンアングルの8×1ライン超えを目指していけるかがポイントになります。

 青いギャンアングルは、コロナショック前のトレンドを表していますので、青の8×1ライン超えは「コロナ前の状況を取り戻した」と考える水準と見ることができます。実際に、3月19日からの戻り高値(6月)はこの青の8×1ラインで跳ね返されていますし、ここを超えるには、金融緩和のサポートだけでなく、実体経済面の強さや抗コロナウイルスワクチンの普及なども必要になってくると思われます。

 ちなみに、今週末にこの8×1ラインに到達したと仮定する場合、日経平均の株価水準は約2万5,000円になる他、赤の3×1ラインと交差するのは大体30営業日後のところでは約2万5,500円となります。

 先週の株価上昇は「株価が高いか安いか」ではなく、「相場が強いか弱いか」で動いていた印象があるため、株価上昇の継続シナリオを想定しておく必要がありますが、一方のTOPIX(東証株価指数)についてはまだ、コロナショック前の株価水準も取り戻せていない状況であることを踏まえると、日経平均が強気でいられる期間はそう長くはないのかもしれません。