年金基金が金投資に戻ってくる可能性は十分にある

 現在、世界的に金利が下がり、株式においても益回りが下がり、債券、株式の理論上のリターンが低い状態になっています。

 ここ40年間は金利が低下し、足元では量的緩和も行われているので、債券や株式にとって良い状態が長らく続いていますが、どこかでインフレになり、それを抑えるために金利を引き上げなければならない状況がきたときに、これまでの逆回転が起こる可能性があります。このため、インフレヘッジとして、年金基金が金への投資を行ってくることは十分にあるとみています。

 世界の金ETFの現物保有量の推計は、2020年8月末時点で3,824トン(出所:ワールド・ゴールド・カウンシル)、金額にすると25兆円程度です。一方で、世界の年金基金の運用資産は、上位300で、2019年に総額19.5兆ドル(約2,000兆円)に達したと言われています(出所:Thinking Ahead Institute『top 300 pension funds research』)。そのたったの1%で20兆円、5%だと100兆円もの金額になります。

 もし、多くの年金基金がポートフォリオに金を組み入れることを決め、金に資金を振り向けたとしたら、そのインパクトは大きく、その時に金が本格的に上昇してくるのではと考えています。

 すぐにインフレがやってくる状況とは思いませんが、短期ではなく長期の視点で、年金基金が本格的に動き出す前に、ポートフォリオに金を加えておくことには十分に意味があると、私は考えています。みなさまのお考えは、いかがでしょうか?

 投資はあくまでも自己責任で。

★今回の記事『金が本格的に上昇するとき』のオンライン解説を、10月31日(土)17:00~17:30に行います(参加費無料)。
お申込みはこちらから!(マネーブレインWebサイト)