日経平均:ジリジリと失速。反発の可能性は残る

 先週末10月16日(金)の日経平均終値は2万3,410円でした。前週末終値(2万3,619円)からは209円安、週足ベースではコロナ・ショック後の戻り高値を更新した前週の上昇から再び下落に転じました。

 今週の日本株は、スケジュール的に国内の材料が少なく、海外の動きに左右されやすい相場地合いになりそうです。とりわけ、米国では決算シーズンが本格化し、IBMやネットフリックス、P&Gにマイクロソフト、テスラ、インテルなど注目企業の決算発表が相次ぎます。

 また、政治面でも実施されるかどうか不確定でありますが、大統領候補による討論会が予定されている他、景況感では米ベージュブックの公表や、中国でも7-9月期GDPをはじめとする各種経済指標も控えています。

 外部環境の「森」が不安定な中、個別銘柄の「木」の動きで堅調さを保てるかが今週の焦点になります。これまでの相場展開からすれば、もみ合いの展開が今週も続きそうなムードではありますが、まずは、いつもの通り足元の状況から確認します。

■(図1)日経平均(日足)とMACD(2020年10月16日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 あらためて、先週の日経平均の値動きを振り返ると、前週につけた高値を超えることなく、むしろ上値が切り下がる格好でジリジリと失速していくような格好となりました。ローソク足も14日(水)以外はすべて陰線となっている他、ようやく抜けきったと思われた2万3,000~2万3,500円のレンジ内に再び足を踏み入れています。

 下段のMACDに注目しても、16日(金)の取引でMACDがシグナルを下抜けしつつあります。

 とはいえ、株価と移動平均線との絡みでは、25日移動平均線水準を維持して終えており、相場自体はまだ崩れていません。さらに、週末の先物取引でも2万3,500円台を回復していることもあり、反発への可能性を残しています。「ひとまずホッとできた」印象になっていますが、週を通じてこの25日移動平均線の攻防戦を乗り切れるか、上放れできるかがポイントになります。