日本株相場のムードはコロナ・ショック後の戻り高値更新へと好転

 先週末10月9日(金)の日経平均は2万3,619円で取引を終えました。前週末終値(2万3,029円)からは590円高となり、週足ベースでは4週ぶりの上昇に転じています。

 また、先週の取引時間中には直近高値(9月29日の2万3,622円)を上回り、2万3,700円台に乗せる場面も見られました。相場のムードは2万3,000円台割れが意識される水準から、コロナ・ショック後の戻り高値更新へと好転したわけです。

■(図1)日経平均(日足)の動き(2020年10月9日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 あらためて、先週の日経平均の値動きを振り返ると、8月中旬以降の日経平均は、おおむね2万3,000円~2万3,500円のレンジ(約500円)での推移が続いていましたが、先週末の8日(木)と9日(金)の2日にわたってこのレンジを上抜けており、さらなる一段高が期待できる格好になっています。

 今週の国内株市場はファーストリテイリングをはじめ、小売の決算が多く予定されていますが、先週発表された決算(セブン&アイHDや良品計画など)に対する市場の反応が良好だったこともあり、この流れが続けば上値を伸ばしやすいと思われます。気の早い見方をすれば、「2万4,000円台乗せも!」となってもおかしくはありません。

 とはいえ、値動きのリズム的には、以前のレポートでも紹介した、上値ラインを同一とする、二つ目の「上昇ウェッジ」がいったん崩れている状況下にあります。この勢いのまま2万4,000円台に到達するにはウェッジの上値ラインを超える必要がありますが、超えられなかった場合には、三つ目のウェッジを形成しつつ、2万3,500円水準での値固めの展開が意識されることになります。その際には25日移動平均線あたりまでの下落はありそうです。