2)2021年3月期会社予想は上方修正の可能性がある
会社側は巣ごもり消費を一時的なものとして、今2Q以降の業績を悲観的に見ています。そのため、2021年3月期通期の会社予想業績は、売上高6,500億円(前年比10.2%減)、営業利益500億円(同36.5%減)となっています。
しかし、今の国内、海外の状況を考えると、国内は映画館、劇場等のリアルエンタメに再始動の動きがあるものの、慎重な考え方もあり、海外は欧米中心に新型コロナが終息する目途が立っていない状況です。
そのため、家庭用ゲームに対する巣ごもり需要は当面続くと予想します。会社予想では今通期のネットワークエンターテインメントの営業利益は380億円(前年比13.4%減)に落ち込むことになりますが、楽天証券では営業利益600億円(同36.7%増)と予想しました。また、来期はPS5の寄与があるためネットワークエンターテインメントの業績は堅調と予想します(発売日は未定ですが、PS5新作「スカーレットネクサス」を開発中)。
ゲーム以外では、映像音楽プロデュースで、人気ユニット「Aqours」の無観客ライブ配信を10月10日、11日に行います(1公演5,555円)。「配信」は音楽ライブの分野で重要な収益源となりつつあり、どの程度チケットが売れるか注目されます。
また来期は、ある程度アミューズメント施設の運営が正常化すると予想されるため、リアルエンターテインメントの赤字が解消すると予想します。
このため、楽天証券では、今期2021年3月期業績を売上高6,800億円(前年比6.1%減)、営業利益740億円(同6.1%減)、来期2022年3月期を売上高7,500億円(同10.3%増)、営業利益1,000億円(同35.1%増)と予想します。
3)今後6~12カ月間の目標株価は9,500円
今後6~12カ月間の目標株価を9,500円とします。2022年3月期楽天証券予想EPS 297.3円に成長性とゲームソフトの価値の上昇を考慮した想定PER30~35倍を当てはめました。投資妙味を感じます。
表4 バンダイナムコIP別売上高(グループ全体)
カプコン
カプコンの業績の詳細は、楽天証券投資WEEKLY2020年9月18日号を参照してください。目標株価7,200円も変更しません。
追記事項としては、ニンテンドースイッチ版「モンスターハンターライズ」を2021年3月26日に、同じく「モンスターハンターストーリーズ2」を2021年夏に発売する予定です。楽天証券ではカプコンの来期を20%営業増益と予想していますが、その確度が上がってきたと思われます。
引き続き投資妙味を感じます。
表5 カプコンの業績
本レポートに掲載した銘柄:バンダイナムコホールディングス(7832)、カプコン(9697)