過去最大の上げ幅を記録したGPIF2020年度第1四半期

 執筆時点では、新型コロナウイルスの影響を受ける前の株価を回復したと話題になっています。今年度の第1四半期である6月末時点でも株価の回復基調は鮮明になっています。そして、6月末時点での運用状況を報告したGPIFの数字も驚くほどの好成績となりました。この3カ月の運用収益額は12兆4,868億円となり、期間収益率は+8.30%という高い成績となりました。2016年10-12月期が過去最高の収益だったようですが、これを上回る過去最高を記録しており、その大きさが分かります。

 ところが、多くのメディアは回復したこと、過去最大の上げ幅であったことについては、その3カ月前ほどには報じませんでした。経済誌では記事になっていますが、これも下落時ほどの大きさはありませんでした。

 確かに、前四半期の下げを取り戻しただけ、と言われればそうかもしれませんが、そう説明するわけでもありません。

 リーマン・ショックのときもアベノミクスが一時期下落に転じたときも、「下がったときは声を大きく批判し、上がったときは黙殺」するという傾向が繰り返されています。