値上がり率ランキング(5銘柄)

1 不二硝子(5212・ジャスダック)

 8月に変更された値幅制限拡大ルールが適用されました。25日と26日に2日続けてストップ高買い気配となったため、27日に制限値幅の上限が拡大。株価1,000円台の上限値幅は300円ですが、それが4倍ということは“1,200円”というわけです。全株一致した27日は一時2,218円(前日基準値1,027円)まで噴き上がり、この時点では前日比+116%に(終値では前日比+85.5%)。

 ちなみに、なぜストップ高が連発したのか? が謎のままでした。コロナのワクチン用の容器の引き合いが高まるという噂がきっかけと言われているようですが…。21日から動意付いたのですが、手前の時価総額はわずか10億円程度でした。低位の超小型株で、低流動性株に仕掛け的な買いが入って大相場になった、といったところでしょうか。

2 ログリー(6579・東証マザーズ)

 こちらも値幅制限拡大ルール変更が適用された急騰株。きっかけは12日に発表した今期予想の大幅な上方修正でした。今2021年3月期の売上高を32億円から38.7億円~40.8億円に、営業利益を0.5億円から1.4億円~2.0億円に大幅増額。コロナ禍の巣ごもり需要で、主力のネイティブ広告プラットフォームのインプレッション数が強烈に伸びているようです。

 翌日から2日続けてストップ高買い気配になり、17日に制限値幅が拡大。発表前の終値1,673円に対し、17日終値は3,145円と、上方修正一発で約9割上昇! 超絶好決算、そして発表前の時価総額が31億円の超小型株だったこと、あとは値幅制限拡大ルールも相まって、好決算の織り込みがますますスピードアップしてますね。

3 データホライゾン(3628・東証マザーズ)

 同じく、値幅制限拡大ルール変更が適用された8月の大化け株。年初来の安値圏にあった株価が動意付き始めたのは、4日に発表した2020年6月期予想の上方修正以降でした。コロナによる営業活動の制限などでコストが減少し、営業利益予想を2.2億円から2.6億円に増額。これ自体はさほど前向きな話では無かったように思いますが、14日に発表した本決算を経て火柱高に!

 期初ガイダンスが営業利益で前期比14%増益としたこともありますが、決算発表とセットでDeNAとの資本業務提携を発表。DeNAとタッグを組み、生活者の健康寿命の延伸と医療費のプライマリーバランスゼロを目指すと。2018年1月に付けていた3,000円台の上場来高値を超え、あっさり4,000円台に到達しました。

4 バンク・オブ・イノベーション(4393・東証マザーズ)

 ゲーム株の凄さと怖さが凝縮されたような1カ月に。同社の主力ゲーム「幻獣契約クリプトラクト」(国内累計ダウンロード数は1,200万超)、「ミストラフィア」(同700万超)を今2020年9月期中に中国本土向けで配信すると発表。中国本土デビューによる業績インパクトを先取る動きが凄まじいことになり…26日の上場来高値6,420円まで、月間上昇率+237%を記録していました。

 ただ、上場来高値を付けた26日の引け後、株価急騰の手がかりだった両ゲームの中国配信開始を延期すると発表。海外IPO許諾先企業から、プロモーションの充実を目的に変更する通知を受けたとのことで、中止ではないのですが…。はしごを外された格好になり、翌日から2日連続ストップ安に。値幅制限拡大ルールの変更が“下限”で適用される初の事例になりました。

5 リファインバース(6531・東証マザーズ)

 20日、三菱ケミカルとの資本業務提携を発表。リサイクル処理対象の廃プラ回収業務を三菱ケミカルから受託するうえ、第三者割当増資で約2億円調達することに。好材料であることには間違いないですが、どれくらいの強度の材料かは判別しにくい材料でもあります。ただ、こうした材料でも、好地合い&値幅制限拡大ルールが相まって、「2日連続ストップ高に持っていくぞ!」なる気勢を感じる買い気配に。

 同社も翌日から2日連続ストップ高となり、全株一致した25日は前日比53%高! 発表前の時価総額がわずか26億円だったこともあり、衝撃の株価反応になりましたね。月末時点の予想PER(株価収益率)は240倍に…。