資産増は人の器も大きくする

――銘柄を探すときのアドバイスをお願いします。

 投資情報誌のようなメディアがおすすめする銘柄をうのみにして買うのは避けるべきですね。まず自分の目で世の中を見てほしいと思います。

 今なら新型コロナウイルスの影響によって人々の行動や生活スタイルがどう変わったのか、これからどう変わっていくのか、自分の周りを見ても気づきがあります。周りの飲食店がつぶれているとか、食事のデリバリーが目立つようになったとか。人々が健康に気を遣うようになったので、予防医療の会社が買われるかもしれないとか、テレワークになれば都心のオフィスがいらなくなるから、東京の不動産業は経営が厳しいかもとか。さらに東京から自然豊かな地方へ移住が加速したら、東京の企業株を売って、地方のいい企業株を買おうとか。こういった感覚を大切にしてほしいと思います。

――では、保有銘柄の情報チェックはどうしていますか。

 企業のウェブサイトのIR(投資家向け広報)情報をチェックします。そしてたまに会社名と商品名でツイッター検索。どういう情報が発信されているのかを確認する目的です。会社名だけでは株の情報に寄ってしまうので、商品名でも探しますね。採用情報なども見ますよ。

――最後に資産1億円を達成して感じたことを教えてください。

 今、私は「1億円」は単なる数字に過ぎないと思っています。消費欲に走れば家でも車でもなんでも買える金額ですが、1億円でモノを買っても世の中が変わることはない。だからもっと資産を増やして未来をおもしろくするための投資にしていきたいと考えています。資産が増えたことで自分の「器」を広げることができたと感じていますが、未来をおもしろくするためには、もっと「器」を大きくする必要があると思っています。

――特別編「遠藤洋さんがいま注目する小型株5選」へ続く

――前編「普通の人でも小型株投資で1億円への道」を読む

遠藤洋(えんどう・ひろし)氏プロフィール

 6年前まで普通のサラリーマン、いまは投資家・自由人。大学卒業後、ベンチャー企業に入社するも、投資で得たばく大な資金を元手に26歳で独立。本質的な価値を見極め「1年以内に株価3倍以上になる小型株」へ集中投資するスタイルで、最大年間利回り+600%、1銘柄の最大投資益+1,200%など、1銘柄だけでも億単位のリターンを達成。その投資経験をベースに、経営者、上場企業役員、医者、弁護士、ビジネスパーソンなど、これまで1,200人以上の個人投資家を指導し「勝てる投資家」を数多く輩出中。

『10万円から始める!小型株集中投資で1億円』(ダイヤモンド社刊行)