金、銀、プラチナ、穀物は患者増加による供給減少懸念により、上値を伸ばす可能性も

 以下は、患者数が増加した国、減少した国それぞれの、各コモディティ(商品)の生産シェアを差し引きしたものです。

 差し引きした値が、プラスの場合、患者数が増加している国に、各種コモディティ(商品)の生産が偏っているため、今後、これまでと同様、患者数が増加し続ければ、供給が減少する懸念が強まり、価格の上昇要因が強まる可能性があります。このような銘柄は、金、銀、プラチナ、鉄鉱石、農産物です。

 一方、マイナスの場合、患者数が減少している国に、各種コモディティ(商品)の生産が偏っているため、今後、これまと同様、患者数が減少し続ければ、供給が増加・回復する観測が強まり、価格の下落要因が強まる可能性があります。このような銘柄は、パラジウム、銅、ニッケル、原油です。

図:患者数の増加・減少、上位20カ国の各コモディティ銘柄の生産シェア(20カ国合計)
 

出所:USGS、GFMS、BP、FAOのデータより筆者作成

 足元、新型コロナウイルスの感染範囲が世界規模であり、強く各種コモディティ(商品)市場に影響を与えていることを考えれば、世界経済の悪化という観点から、新型コロナウイルスの感染拡大は、特に産業用の用途の割合が高いコモディティ銘柄にとって、消費減少要因になっていると、考えられます。

 一方、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が及ぼす生産面への影響、という観点から見た場合、感染状況のトレンドが今と変わらなければ、歴史的高値を更新し続けている金(ゴールド)、それに追随する銀、プラチナ、そして農産物においては、生産減少要因、つまり、価格上昇要因として作用する可能性があります。

価格変動を追う上で重要な、生産面を、新型コロナウイルスの患者数の動向から考えました。

[参考]貴金属関連の具体的な投資商品

純金積立

金(プラチナ、銀もあり)

国内ETF/ETN

1326 SPDRゴールド・シェア
1328 金価格連動型上場投資信託
1540 純金上場信託(現物国内保管型)
2036 NEXT NOTES 日経・TOCOM金ダブル・ブルETN
2037 NEXT NOTES 日経・TOCOM金ベアETN

海外ETF

GLDM SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト
IAU iシェアーズ・ゴールド・トラスト
GDX ヴァンエック・ベクトル・金鉱株ETF

投資信託

ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)
三菱UFJ純金ファンド

外国株

ABX Barrick Gold:バリック・ゴールド
AU AngloGold:アングロゴールド・アシャンティ
AEM Agnico Eagle Mines:アグニコ・イーグル・マインズ
FNV フランコ・ネバダ
GFI Gold Fields:ゴールド・フィールズ

国内商品先物

金・金ミニ・金スポット・白金・白金ミニ・白金スポット・銀・パラジウム

海外商品先物

金、ミニ金、マイクロ金(銀、ミニ銀もあり)

[参考]穀物関連の具体的な投資商品

国内株

丸紅 8002

海外ETF

iPath シリーズB ブルームバーグ穀物サブ指数
トータルリターンETN
JJG

外国株

アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドADM

ブンゲBG

商品先物

国内 トウモロコシ 大豆

海外 トウモロコシ 大豆 小麦 大豆粕 大豆油 もみ米