今月の質問「どうなるアメリカ大統領選!?」

楽天証券経済研究所 根岸 美知代

 アメリカ大統領選挙が行われる11月3日まで、あと約3カ月となりました。新型コロナウイルスの対応、中国との貿易戦争、人種差別問題などがあるなか、トランプ大統領は再選されるのでしょうか。

【今月の質問1】 アメリカ大統領選挙の行方は気になりますか?

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 アメリカ大統領選挙の行方が「気になる」方が多いのは、その結果が、米国株・日本株だけでなく、世界中の株式市場に大きな影響を与える可能性があるからだと思います。

【今月の質問2】 トランプ大統領は再選すると思いますか?

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 トランプ大統領が「再選する」38.1%、「落選する」41.5%と、数字はほぼ拮抗(きっこう)していますが、落選すると考える人の方が、少しだけ(3.4%)多いことが分かりました。現職の大統領が、再選に失敗したことは、第二次世界大戦後では3回しかありません。1976年(フォード再選失敗)・1980年(カーター再選失敗)・1992年(ブッシュ(父)再選失敗)です。果たしてトランプ大統領は、再選に失敗する4人目の大統領になるのでしょうか?

 米国の大統領の任期は4年ですが、再選されれば2期8年までやることができます。2期以上やることは憲法で禁じられているので、ほとんどの大統領が2期8年で退任します。戦後、再選に失敗して1期4年で大統領を退いたのは、フォード・カーター・ブッシュ(父)の3人しかいません。

【今月の質問3】 大統領選挙の結果により、日本の株式市場はどうなると思いますか?

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 「上昇する」が32.9%、「下落する」が26.9%でした。「どちらとも言えない」も30.1%でした。

 アンケートに回答していただいた方の多くが、「トランプ大統領が再選した方が株は上がる」とお考えになっていることが、分かりました。

 なぜならば、トランプ大統領が「再選する」と回答した方だけで集計すると、大統領選の結果で日本株が「上昇する」と考える方が55%もいらっしゃる(「下落する」は13%)ことから、分かります。

 トランプ大統領が「落選する」と回答した方だけで集計すると、大統領選の結果で日本株が「上昇する」と考える方は25%しかいない(「下落する」は40%)のと、対照的です。

 なおトランプ大統領が再選するかしないか「わからない」と回答した方だけで集計すると、選挙結果で日本株が上がるか下がるか「どちらとも言えない」と考える方が45%いらっしゃいました。

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 トランプ大統領は、2016年11月の大統領選挙に勝って2017年から大統領になりました。2016年の大統領選期間中には、「トランプ氏が当選すると米国株は暴落する」と言われていました。保護貿易主義など、反グローバリズムを唱えていたことが、株式市場にマイナスと考えられていました。

 ところが、トランプ大統領が当選した後、米国株は大きく上昇しました。トランプ大統領が、大型法人減税など、株式市場を押し上げる政策を積極的に推進したことが評価されました。

 今、株式市場では、トランプ大統領が再選した方が、株式市場にとって良いと考える方が増えています。

 今回もたくさんの方にご回答いただきました。ありがとうございます。