楽天証券の金融メディア「トウシル」がはじまり3年。今では、月に約400万人が閲覧するメディアへと成長しました。そして、初の『1800万PV月間400万人が読んでいる 楽天証券トウシルが作った一番かんたんな株入門(扶桑社ムック)』を刊行することとなりました。

 トウシルにアップされる記事の中でも非常に人気の高い、高配当株、成長株、優待株などを中心に、「株式市場にはどんな銘柄があるか?」「どんな株を選んで買うといいのか?」などを図解入りで、分かりやすく解説しています。

 巻頭には銘柄の選び方や株式投資の始め方について、楽天証券経済研究所客員研究員の山崎元への特別インタビューを掲載。今回はそのインタビューの前半をお届けします。

山崎元「株の始め方、教えます!」

―まず、株式投資の本来の意味について、初心者にもわかるように説明してください。

山崎 お金でお金を稼ごうとするのは、働いて稼ぐのではないからよくないと苦言する人が少なくありません。しかし、けっして株式投資はそのような性質のものではありません。株式投資では、一定の金額と時間を費やし、企業に資本を提供します。

楽天証券経済研究所:山崎元

 そして、その資本は経済活動に用いられ、利益というかたちで残った成果物の一部が投資家に還元されるというのが株式投資の意味合いです。つまり、お金を経済に参加させて働かせることこそ株式投資の経済的な役割なのです。

 ただし、株式投資を必ずやらなければいけないのかと問われると、そうではないと答えることになるでしょう。有利だと思う人だけがやればいいということにつきます。

 「公的年金だけでは2,000万円足りない」という調査結果が騒がれた際に、「投資しないとあなたの老後は貧乏になって大変ですよ」と脅かすような投資の勧誘が横行しましたが、あれはよくない。

 一方、長期投資なら絶対にもうかるとか、資本主義は不滅だから大丈夫だとかいったことを口にする人がいます。だけど、絶対に大丈夫ではないからこそ、株式投資では高いリターンを期待できるわけです。

 加えて、売買すること自体が投資だという認識は誤りです。お金を提供して(投じて)置いておく(株を保有している)状態が投資なのだと理解することが大事です。「今月は何にも投資しなかった」というのは、単に「売りも買いもしなかった」ことを意味しているだけのこと。そうではなく、お金を投じたまま持っている状態が投資なのです。