市場に上場する銘柄の有利・不利はどれも同じ

―初心者は特に株式のリスクを心配しがちですが、どんな心構えで臨むべきですか?

山崎 リスクに対するアプローチは人によって違うもので、とにかく嫌だという人はやめておけばいい。しかし、給料だって上下するし、リストラされることもあるし、健康を損なうことだって考えられます。外を歩けば交通事故に遭うかもしれませんし、株式投資だけにリスクが関わってくるわけではありません。

 株式に限らず投資の場合には、インプットした金額とアウトプットするときの金額で損得が勝ち負けのように可視化されますが、それを気にしすぎるとよくない。たまたま投資では数字で見えているだけで、仕事や人生においてチャンスを逃したり、失敗したりということも多々あります。お金を置いておく先としてリスクのある場所を選ぶことは、そう不可思議なことではないと考えたほうが良いでしょう。

―初心者が銘柄を選ぶ際には、どのようなことを心に留めておくべきですか?

山崎 証券取引所に上場している銘柄は、どれを買っても有利・不利が同じだということを、まずは大前提として念頭に置いてください。業績が良くない株でも、成長している株でも、それなりの見通しとリスクに応じて、信頼すべき欲張りな投資家たちが値定めをしたうえでつけられているのが現在の株価なのです。

 いずれの銘柄においても、プロも含めて「これで売ってもいい・買ってもいい」と思う人がいるから、目の前の株価がついているわけです。したがって、どの銘柄を選んだとしても、個々の有利・不利には違いがありません。

 ただし、個人投資家の場合、十分な分散投資を実践しづらいので、リスクがなるべく低い銘柄を選ぶということは意識しておいたほうが良いでしょう。例えば、新規公開直後のベンチャー株よりも、長きにわたって上場していて時価総額も大きい株式のほうが株価の変動はゆるやかです。値動きの激しい銘柄ではなく、ある程度の安定感がある銘柄から始めるのが良いでしょう。

 また、初心者も最初からポートフォリオとして考える習慣を身につけるべきだと思います。「最初に何か1銘柄だけ買ってみよう」というアプローチは好ましくありません。同程度の金額で業種の異なる3銘柄程度を組み合わせて買って、全体としての増減を観察していくのです。
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