日経平均、NYダウは、徐々に上値重くなる

 先週の日経平均株価は、1週間で205円下がり、2万2,306円となりました。

日経平均日足:2020年2月3日~7月3日

 コロナ・ショックで2~3月に暴落した日経平均は、その後、ロックダウン(都市封鎖)を解除する米国・欧州・中国の経済再開への期待から上昇が続き、6月9日に一時2万3,185円まで上昇。コロナ・ショックの下げ幅の約9割を取り戻す急反発となりました。

 ところが、戻り高値を更新することはできず、過熱感から調整に入りました。経済再開後の米国などで感染が再び拡大してきたことが不安視されています。6月15日に、日経平均は2万1,530円まで下がりました。

 ただし、下がったところでは押し目買いが増えて値を戻し、6月は2万2,000円台で上下とも大きくは動きにくい展開となりました。

 改めて、株式市場の強弱材料をまとめると、以下の通りです。

<強材料>
【1】    中国・米国・欧州・日本で経済再開を進めることで、世界景気が回復に向かう期待
【2】    米国を中心に世界中の政府・中央銀行が、巨額の財政・金融政策の大判ぶるまい
【3】    米国・英国・中国で予防ワクチンの開発が、想定よりも早いピッチで進展

<弱材料>
【1】    経済再開を進める米国などで感染が再び拡大。ブラジル・インド・ロシアなど新興国では感染が急増
【2】    世界景気が、戦後最悪のピッチで悪化
【3】    米中対立が再び激化する兆し

 NYダウも同様、戻り高値を更新することはできず、やや上値が重くなりつつあります。目先、2万4,000ドル前後まで下がる可能性もあると考えています。

NYダウ日足:2020年2月11日~7月2日

 米国で、感染が再び拡大していることが、不安を招いています。トランプ米大統領は、ワクチンが開発されるまで、ウィズ・コロナで、経済を回し続けるしかないとの考えを示しています。ただし、感染の再拡大が、あまりにも急激だと、経済を止めざるを得なくなるかもしれません。今後の米国内の感染者がどう推移するか、経済を止めずに回復を続けることができるか、重要な局面です。