株式市場の強弱材料【弱材料】

弱材料

【1】世界景気が、戦後最悪のピッチで悪化

 足元の世界景気は戦後最悪の景気後退期に入っています。今のところ、日米欧の政府および中央銀行が、財政・金融政策の大判ぶるまいで破産の連鎖が起こることを防いでいます。

 ただし、景気悪化がこれ以上長引くと支えきれなくなり、破綻の連鎖から、金融危機が起こる不安もあります。感染再拡大を受け、早期の景気回復が実現するか、不透明な情勢です。

【2】米中対立が再燃

 米中の対立が再び激化する兆しがあります。トランプ大統領は、大統領選前は、株価を暴落させるような形で、対立をエスカレートさせないよう、気を使っていると考えられます。

 それを象徴する出来事が、6月15日(月)の東京市場でありました。ナバロ米大統領補佐官が「トランプ大統領が米中第一段階の合意の打ち切りを決めた」と発言したことが伝わり、日経平均は一時180円安まで売られていました。ところが、その後トランプ大統領が、それを否定するツイートを出すと、日経平均は一転して256円高まで買われました。

 ただし、11月の大統領選が終わった後は、トランプ大統領が再選するか否かにかかわらず、米中対立は激化すると考えられます。

【3】世界全体で感染が爆発、経済再開を進める米国も感染が再拡大

 日・米・欧・中国などの先進国では一時感染が減少していました。ところが、米国では再び感染が拡大しています。26日の米国での新規感染者は4万4,000人を超え、過去最高を更新しています。

 また、世界全体では新規感染者が加速、1日で18~19万人まで増えています。ブラジル・インド・ロシアなど新興国で感染が急拡大しています。これによって、経済再開、世界景気の回復が順調に進むか、不透明となっています。