本日の注目通貨

ドル/円:先週のレンジ:106.66円から107.64円

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

今日の注目グラフ

ダウ平均と日経平均の推移(2019年7月~2020年6月)

 19日のNY株式市場は下落。「コロナ収束期待」と「経済再開」が株価上昇(リスクオン)を支えていたのですが、その両方に疑問符がついたからです。アップルが4月に再開したフロリダなど11の店舗の営業を再び停止すると発表したことはその象徴。ただ、週足ベースでは、NYダウ平均+1.04%、S&P500+1.86%、ナスダック+3.73%と好調を維持。

NY金先物とNY原油先物の推移(2019年7月~2020年6月)

 19日のNY金先物は1トロイオンス=1753.0ドル。
ロングポジションの整理が進み、買い余地が出るなかで、FOMC(米連邦公開市場委員会)が今後2年はゼロ金利を維持すると示唆したことは相対的に金の魅力を高めました。コロナ感染第2波への警戒が強まっていることも、安全資産である金が買われやすい状況。

 NY原油先物の19日終値は1バレル=39.75ドル。
原油市況は、4月の安値から驚異的ともいえるスピードで回復。見通しの上方修正も増えています。イラクがコンプラ違反を認め、決められた水準まで減産することに合意したことは、原油価格の信頼回復に向けた重要な一歩。カザフスタン、ナイジェリア、アンゴラも追随することになるでしょう。しかし、原油価格の回復に伴い米国シェールガス生産量が増加していること、そしてコロナ感染が米国と中国で再拡大していることは懸念材料。中長期的な見通しはポジティブだが、目先の原油価格の修正リスクは高い。

新型コロナウイルス 世界の感染者数  

 米国で新型コロナの感染が止まりません。カリフォルニア州やフロリダ州など8つの州で先週1週間の新たな感染者数が過去最多となりました。WHO(世界保健機関)によると、南北アメリカ大陸が感染者の48%、死者の46%を占め、世界最多。

 米中西部では最初から「ロックダウン反対運動」が盛んで、テキサス州の一部のレストランではマスク着用で入店禁止などカウボーイ的対応をしていたうえに、トランプ大統領が都市封鎖解除をあおる発言を繰り返していることもあって、感染が拡大する中での経済再開という事態になっています。

 ブラジルは、大統領であるボルソナロ氏が、新型コロナは「ちょっとした風邪」みたいなもの、「人はみないつか死ぬ」とうそぶき、健康よりも経済を優先する考えですから、感染拡大は不思議でもなんでもない。日本の感染者は先週までの累計で約1.8万人。ブラジルはたった1日で3.5万人。7月中旬には死者が8万人に達するという悲観的見通しもでています。コロナ対策では完全な失敗国家です。ブラジルの1,000人当たりの病床数は2、医師は2という後進医療事情も感染拡大の理由。