本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは107.33

下値メドは106.45

今朝の天気マークは「くもり」

※天気の判定基準は記事末尾にあります

楽観か悲観かの瀬戸際

 19日(金曜日)のドル/円終値は106.88円。週間では0.47円のドル安/円高でした。先週のマーケットはどちらかというと模様眺めで、強い方向感は出ませんでした。あえて言うなら、楽観的見通しの調整に伴い円高、ユーロ安に動きました。

 今月第1週に発表された米5月雇用統計が意外にも強かったことで(あくまでも相対的ですが)、6月は強気ムードでスタートしました。ところが、米国でコロナ第2波(あるいは第1波)感染拡大が、NYダウ平均株価に過去4番目の大きさの暴落を引き起しました。FRB(米連邦準備制度理事会)がすぐさま乗り出して、マーケットは落ち着きを取り戻したところで先週のマーケットは終了。

 しかし、FRBにコロナを封じ込める力はない。米国のフロリダ、アリゾナ、テキサスで広がる感染に歯止めがかからなければ、米国経済の回復は、短命に終わる可能性があります。

 中国でもコロナ感染は広がっていて、北京市は学校閉鎖などのロックダウンを実施中。感染中心地となった新発地卸売市場は、アジア最大の卸売市場。北京市の農産物の8割を扱い、その広さは東京ドーム24個分もあります。ここで濃厚接触した人の多さを考えると、感染拡大は相当規模に広がることを覚悟する必要があります。昼カラオケとか夜の街感染のレベルではないことは確かです。

 注目の株価と原油先物、そして新型コロナの感染状況は?「今日の注目グラフ」をご覧ください。

毎ヨミ!FXトップニュース

19日のドル/円のNY市場終値は106.88円

 前営業日の終値比▲0.10円だったので、今朝の天気マークは「くもり」です。

今日の格言:

クオリティーとは、誰も見ていないときに手を抜かないこと - ヘンリー・フォード

今日は何の日(6月22日):

ガリレオ・ガリレイに宗教裁判で終身禁錮の判決(1633年)
江戸幕府が第四次鎖国令を布告(1636年 - 寛永13年5月19日)
フランス皇帝ナポレオン・ボナパルトの百日天下の終焉(1815年)
戊辰戦争: 奥羽列藩同盟が成立(1868年 - 慶応4年5月3日)

各国・各通貨トピックス

新型コロナウイルス:
    アップルが米11店舗で再閉鎖。コロナ感染再拡大で
    フロリダ州の感染者、1日最多の3,207人 次の中心地か
    新型コロナ感染者が過去最多の1日18万人。WHO(世界保健機構)「危険な新局面」

ドル:
    バイデン氏支持上昇でも株高。トランプ大統領再選との相関関係崩れる
    ボルトン氏暴露本「トランプ大統領は、国益よりも再選を優先」
    パウエルFRB議長「米経済のためにあらゆる手段を行使することを誓う」
    格付け会社ムーディーズ、米国の格付け「AAA」を確認 見通しは「安定的」

ユーロ:
    EUサミット電話会議、欧州復興基金の合意先送り。目立った反対もなし
    ノルウェー中銀、政策金利据え置き。2020年成長見通しを上方修正

ポンド:
    6月BOE(イングランド銀行)会合、政策金利0.1%に据え置き。量的緩和1,000億ポンド増額 
    BOE総裁「マイナス金利導入は急がない」

豪ドル:
    RBA(豪準備銀行)「豪と世界経済は最悪のシナリオを回避した」
    オーストラリアに大規模なサイバー攻撃。 標的は「豪政府」

スイスフラン:
    スイス中銀、政策金利▲0.75%に据え置き。必要ならば積極的に為替介入する

その他:
    北京感染の中心地、新発地卸売市場はアメフトのフィールド250個分の広さ
    カタールが外出時のマスク着用を義務化 違反者には禁錮3年と罰金580万円
    NY市で殺人事件や押し込み強盗、車両窃盗が前年比で急増

主要指標終値

出所:楽天証券が作成

本日の注目通貨

ドル/円:先週のレンジ:106.66円から107.64円

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

今日の注目グラフ

ダウ平均と日経平均の推移(2019年7月~2020年6月)

 19日のNY株式市場は下落。「コロナ収束期待」と「経済再開」が株価上昇(リスクオン)を支えていたのですが、その両方に疑問符がついたからです。アップルが4月に再開したフロリダなど11の店舗の営業を再び停止すると発表したことはその象徴。ただ、週足ベースでは、NYダウ平均+1.04%、S&P500+1.86%、ナスダック+3.73%と好調を維持。

NY金先物とNY原油先物の推移(2019年7月~2020年6月)

 19日のNY金先物は1トロイオンス=1753.0ドル。
ロングポジションの整理が進み、買い余地が出るなかで、FOMC(米連邦公開市場委員会)が今後2年はゼロ金利を維持すると示唆したことは相対的に金の魅力を高めました。コロナ感染第2波への警戒が強まっていることも、安全資産である金が買われやすい状況。

 NY原油先物の19日終値は1バレル=39.75ドル。
原油市況は、4月の安値から驚異的ともいえるスピードで回復。見通しの上方修正も増えています。イラクがコンプラ違反を認め、決められた水準まで減産することに合意したことは、原油価格の信頼回復に向けた重要な一歩。カザフスタン、ナイジェリア、アンゴラも追随することになるでしょう。しかし、原油価格の回復に伴い米国シェールガス生産量が増加していること、そしてコロナ感染が米国と中国で再拡大していることは懸念材料。中長期的な見通しはポジティブだが、目先の原油価格の修正リスクは高い。

新型コロナウイルス 世界の感染者数  

 米国で新型コロナの感染が止まりません。カリフォルニア州やフロリダ州など8つの州で先週1週間の新たな感染者数が過去最多となりました。WHO(世界保健機関)によると、南北アメリカ大陸が感染者の48%、死者の46%を占め、世界最多。

 米中西部では最初から「ロックダウン反対運動」が盛んで、テキサス州の一部のレストランではマスク着用で入店禁止などカウボーイ的対応をしていたうえに、トランプ大統領が都市封鎖解除をあおる発言を繰り返していることもあって、感染が拡大する中での経済再開という事態になっています。

 ブラジルは、大統領であるボルソナロ氏が、新型コロナは「ちょっとした風邪」みたいなもの、「人はみないつか死ぬ」とうそぶき、健康よりも経済を優先する考えですから、感染拡大は不思議でもなんでもない。日本の感染者は先週までの累計で約1.8万人。ブラジルはたった1日で3.5万人。7月中旬には死者が8万人に達するという悲観的見通しもでています。コロナ対策では完全な失敗国家です。ブラジルの1,000人当たりの病床数は2、医師は2という後進医療事情も感染拡大の理由。

トレード前に必ずチェック!今週発表の重要指標!

経済指標過去データは楽天証券サイトにてご確認ください。 出所:楽天証券作成

◎天気の判定基準とは?

天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。

・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。

・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。

・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。

※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。

※ちなみに2018年は、「晴れ」80日、「雨」82日、「くもり」98日 でした。
また、2018年は延べで43.33円上昇、延べで46.41円下落。差引3.08円の円高(2017年末に比べて)でした。