本日の注目通貨

ドル/円:今週のレンジ予想:106.45円から111.40円

 今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は108.94円。108.94円より上ならばドル買い優勢、108.94円より下ならばドル売り優勢。9日のNY終値は107.74円。

 ドル高方向は110円手前が強い抵抗ゾーン。雇用統計後の高値は109.85円。9日はあっさり107円台に押し戻されて今は110円超えの気持ちが萎えているところ。

 ドル安方向は、6月安値107.37円が最初のターゲット。106円台が強い支持ゾーンで、2020年の中心値106.70円が位置。5月安値は105.98円。105円台を抜けると次の大きなサポートは101円台までなし。

114.55円 : 2018年 高値
113.82円 : 2018年 12月 高値

112.40円 : 2019年 高値
112.98円 : 第3レジスタンス(HBO)
112.22円 : 2020年 高値 (02月20日)

111.71円 : 03月 高値 (03月20日)
111.42円 : 第2レジスタンス

110.05円 : 第1レジスタンス

109.85円 : 05月 高値 (06月05日)


108.94円 : ピボット


108.02円 : 第1サポート

107.37円 : 06月 安値 (06月01日)

106.70円 : 2020年 中心値
106.45円 : 第2サポート

105.98円 : 05月 安値 (05月06日)
105.54円 : 第3サポート(LBO)

101.17円 : 2020年安値(03月06日)
100.07円 : 2016年 09月 安値
99.53円 : 2016年 08月 安値

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

今日の注目グラフ:

「勝ち組」「負け組」通貨ペア(6月1日~6月5日)

 6月第1週は、引き続き「リスクオンのドル売り」のマーケット。
世界でロックダウン(移動制限)が徐々に解除され経済が再開。パニック的なドル買い需要が後退するなかでユーロや豪ドルが買われ、原油市況の回復でカナダドルが上昇しました。

 6月第1週で最もパフォーマンスが良かった(上昇した)「勝ち組通貨ペア」は、南アランド/円の4.88%。メキシコペソ/円は4.66%、トルコリラ/円は2.44%と、新興国通貨が健闘。マーケットが平常を取り戻しつつあるなかで、新興国通貨は大きく売られていた分、反発が目立ちました。南アランドとトルコリラは先月(5月)利下げしましたが、新たな売り材料にはなりませんでした。とはいえ新興国通貨が安定期に入ったわけではないです。

 トルコの政策金利は、実質金利ではすでに大幅な「マイナス金利」。国内物価は早くも上がり始めています。そのなかで、トルコの銀行監督庁は民間銀行対して融資拡大の行政指導中。インフレを抑え財政赤字を減らすことが必要なトルコ経済が逆の方向に進んでいるわけで、いつまた急落しても不思議ではない。

IMMポジション推移(円、ユーロ)(2018年6月~2020年6月) 

 CFTC(全米先物取引委員会)公表による、6月2日時点のシカゴIMMの通貨先物ポジション状況は、円は32,579枚の「ロング(=約37億ドル相当の円の買い持ち)」で、前週に比べて6%縮小。

 ユーロは81,240枚の「ロング(=約101億ユーロの買い持ち)」で、前週に比べて8%増加。
全体として、IMMは巨大な「ドルショート(円ロング、ユーロロング」ポジションをつくっていることになる。これは先週から続くマーケットの「リスクオンでドル売り」のトレンドに沿うもの。ただし、ポンドと豪ドルに対しては「ドルロング(=豪ドルショート、ポンドショート)」が継続。