本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは109.26

下値メドは106.45

今朝の天気マークは「雨」

※天気の判定基準は記事末尾にあります

FOMCを前に
調整が続く

 9日(火曜日)のドル/円は、FOMC(米連邦公開市場委員会)を意識した調整が続き107.61円まで下落。107円台まで下がったのは6月2日以来。高値は108.55円で4営業日ぶりに109円に届かず。

 ドルは9日連続で下げ、過去10年で最長の下落。FOMCを前に、一息つく日があってもおかしくありせん。この日のNYダウ平均株価は一時420ドルを超えて下落。しかし、米株式市場は3月の安値から4割以上も値上がりしていて、これは最短期間で最大の上昇記録。繰り返しますが、1日や2日の休みがあっても当然です。

 今日はFOMCの結果発表です。FOMCでは、金利誘導のための新手段としてのYCC(イールドカーブ・コントロール)導入や、資産購入を終了期限の定めのないオープンエンド型に移行することなどを討議している模様。

 FRB(米連邦準備制度理事会)が、マーケットの期待に反して政策の現状維持を決めるなら、この調整下げがもう少し深くなることもありえます。とはいえ、FRBやECBなど世界の中央銀行が臨戦態勢をとるなかで、株式市場に大きな不安はありません。今のところ大規模なコロナ感染第2波の報告はなく、世界経済の再開に対してマーケットは楽観。景気先行指数も上向いています。これらを考えると「リスクオンのドル売り(円売り)」は、もうしばらく続くのではないかと考えます。

 FOMC前にドル/円に位置情報をチェック。「今日の注目通貨」をご覧ください。そして6月マーケットのトレンド分析として、今月の「勝ち組」「負け組」通貨ペア、円とユーロIMMポジション推移のグラフもご覧ください。

毎ヨミ!FXトップニュース

9日のドル/円のNY市場終値は107.74円

 前営業日の終値比▲0.69円だったので、今朝の天気マークは「雨」です。

今日の格言:

愛国心とは野蛮な美徳である-オスカー・ワイルド

今日は何の日(6月10日):

入梅
時の記念日
足利尊氏挙兵(1333年)
第三次中東戦争終結(1967年)

各国・各通貨トピックス

新型コロナウイルス:
    ニュージーランド、コロナ感染者がゼロに ソーシャルディスタンス解除へ
    ロシアが国境開放、仕事や治療の渡航許可 モスクワも封鎖解除へ

ドル:
    米中貿易戦争の本当のリスクはこれから。今はお互いにまだ様子見
    米国が中国航空会社の乗り入れ停止へ 16日から旅客便対象
    カプラン・ダラス連銀総裁「第2四半期GDPは30%程度縮小する可能性」

ユーロ: 
    復興基金設立ならば、コロナ後の欧州経済回復は米国よりかなり早くなる
    過小評価されていたユーロ資産に幅広い買い。ユーロ/ドルは1.20ドルを目指す

ポンド:
    英国の自動車登録件数;前年比▲44.4% リーマン・ショック時を超える
    消費回復には長時間必要。新型コロナとブレグジットで失業率は上昇

原油先物:
    クリーンエネルギーの使用、過去20年間で初めて減少

中国人民元:
    中国5月輸出が大幅な伸び。コロナ対策関連の輸出が好調

NZD:
        ニュージーランドのコロナ感染者がゼロに。政府はソーシャルディスタンス解除

その他:
    香港からシンガポールへの資金が逃避先。現地銀行の非居者預金が大幅増加
    Uber Eatsの配達バッグ、ネットで1万円前後の高値取引
「サザエさん」じゃんけんで、史上初の「5週連続同じ手(パー)」が出され騒然

主要指標終値

出所:楽天証券が作成

本日の注目通貨

ドル/円:今週のレンジ予想:106.45円から111.40円

 今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は108.94円。108.94円より上ならばドル買い優勢、108.94円より下ならばドル売り優勢。9日のNY終値は107.74円。

 ドル高方向は110円手前が強い抵抗ゾーン。雇用統計後の高値は109.85円。9日はあっさり107円台に押し戻されて今は110円超えの気持ちが萎えているところ。

 ドル安方向は、6月安値107.37円が最初のターゲット。106円台が強い支持ゾーンで、2020年の中心値106.70円が位置。5月安値は105.98円。105円台を抜けると次の大きなサポートは101円台までなし。

114.55円 : 2018年 高値
113.82円 : 2018年 12月 高値

112.40円 : 2019年 高値
112.98円 : 第3レジスタンス(HBO)
112.22円 : 2020年 高値 (02月20日)

111.71円 : 03月 高値 (03月20日)
111.42円 : 第2レジスタンス

110.05円 : 第1レジスタンス

109.85円 : 05月 高値 (06月05日)


108.94円 : ピボット


108.02円 : 第1サポート

107.37円 : 06月 安値 (06月01日)

106.70円 : 2020年 中心値
106.45円 : 第2サポート

105.98円 : 05月 安値 (05月06日)
105.54円 : 第3サポート(LBO)

101.17円 : 2020年安値(03月06日)
100.07円 : 2016年 09月 安値
99.53円 : 2016年 08月 安値

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

今日の注目グラフ:

「勝ち組」「負け組」通貨ペア(6月1日~6月5日)

 6月第1週は、引き続き「リスクオンのドル売り」のマーケット。
世界でロックダウン(移動制限)が徐々に解除され経済が再開。パニック的なドル買い需要が後退するなかでユーロや豪ドルが買われ、原油市況の回復でカナダドルが上昇しました。

 6月第1週で最もパフォーマンスが良かった(上昇した)「勝ち組通貨ペア」は、南アランド/円の4.88%。メキシコペソ/円は4.66%、トルコリラ/円は2.44%と、新興国通貨が健闘。マーケットが平常を取り戻しつつあるなかで、新興国通貨は大きく売られていた分、反発が目立ちました。南アランドとトルコリラは先月(5月)利下げしましたが、新たな売り材料にはなりませんでした。とはいえ新興国通貨が安定期に入ったわけではないです。

 トルコの政策金利は、実質金利ではすでに大幅な「マイナス金利」。国内物価は早くも上がり始めています。そのなかで、トルコの銀行監督庁は民間銀行対して融資拡大の行政指導中。インフレを抑え財政赤字を減らすことが必要なトルコ経済が逆の方向に進んでいるわけで、いつまた急落しても不思議ではない。

IMMポジション推移(円、ユーロ)(2018年6月~2020年6月) 

 CFTC(全米先物取引委員会)公表による、6月2日時点のシカゴIMMの通貨先物ポジション状況は、円は32,579枚の「ロング(=約37億ドル相当の円の買い持ち)」で、前週に比べて6%縮小。

 ユーロは81,240枚の「ロング(=約101億ユーロの買い持ち)」で、前週に比べて8%増加。
全体として、IMMは巨大な「ドルショート(円ロング、ユーロロング」ポジションをつくっていることになる。これは先週から続くマーケットの「リスクオンでドル売り」のトレンドに沿うもの。ただし、ポンドと豪ドルに対しては「ドルロング(=豪ドルショート、ポンドショート)」が継続。

トレード前に必ずチェック!今週発表の重要指標!

経済指標過去データは楽天証券サイトにてご確認ください。 出所:楽天証券作成

◎天気の判定基準とは?

天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。

・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。

・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。

・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。

※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。

※ちなみに2018年は、「晴れ」80日、「雨」82日、「くもり」98日 でした。
また、2018年は延べで43.33円上昇、延べで46.41円下落。差引3.08円の円高(2017年末に比べて)でした。