最大の悪材料は、米中対立の再燃

 コロナ後を考えると、株式市場の最大の悪材料は、米中対立の激化だと思います。現在、世界を苦しめている新型コロナは、おそらく、1年後には先進国では終息に向かっていると思います(新興国ではさらに長引くかもしれません)。

 ところが、米中対立は終息しません。20世紀後半の米ソ冷戦のように、50年は続くと考えられます。米中対立がもたらす世界経済の分断は、世界経済に長期にわたり暗い影を落とすことになるでしょう。ちょうど新型コロナの流行で、グローバル分業が高リスクだと、多くの国が思い始めているタイミングです。ここに、米中対立による分断が加われば、グローバリズム(国際的な協業・分業の推進)はかなり後退することになるでしょう。

 年後半は、新形コロナへの株式市場の注目は徐々に低下し、代わって、米中対立の行方に注目が集まると考えられます。

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