5月の米雇用統計は、ポジティブ・サプライズ
6月5日発表の、5月の米雇用統計がポジティブ・サプライズ(良くて驚き)でした。非農業部門の雇用者数が前月比で250.9万人増と、過去最大の増加となりました。米経済再開を受け、一時解雇した人員を雇い直す動きが広がっていることが分かりました。
事前の市場予想は750万人の減少でした。新規失業保険申請件数のデータから、5月も雇用は大きく減っていると予想されていました。経済再開による雇用者増加は、6月以降になると見られていました。ところが、実際には、企業による雇用者の呼び戻しは予想以上に速く、5月から雇用者数は大幅増加となりました。
5月の米雇用統計・非農業部門雇用者増加数(前月比):2019年1月~2020年5月
その結果、5月の完全失業率は13.3%で、戦後最悪だった4月の14.7%から改善しました。事前の市場予想は19%への悪化でしたから、改善がポジティブ・サプライズとなりました。
5月の米雇用統計・完全失業率:2014年1月~2020年5月
市場予想と比べて、ポジティブ・サプライズだった雇用統計を受けて、ドル高・米国株高が進みました。5日のNYダウ平均株価は829ドル(3.1%)上昇しました。為替市場では、1ドル=109.59円まで、ドル高円安が進みました。