コロナ・ショックと業績不安、株主優待どうなる?
海外投資家の場合、日常生活に近いかどうかや、株主優待などを考慮することもなく、配当や企業業績、今後の成長性などが重要なので、特定の業種に固執することはさほどありません。業種よりも企業を選別する傾向が強くなるので、結果として、個人と比べて、業種間の保有比率のバラつきが小さくなっています。
過去のデータを見る限り、個人の保有比率は大きくは変わらないので、2020年3月末の保有比率も2019年3月末と似たようなものになる可能性が高いでしょう。
そこで気になるのが、コロナ・ショックの影響。空運業は、国際便・国内便ともに大幅な減便、乗客数の減少で厳しい業況です。小売業、サービス業には、百貨店、飲食店、ホテル、アミューズメント施設を経営する企業などが含まれていますので、自粛やインバウンド激減によるダメージが大きい企業が多い業種です。
読売新聞(5月17日付、朝刊)に「株主優待 期限影響相次ぐ コロナ契機 廃止の動きも」という記事が掲載されました。私もコメントを寄せるなど取材に協力しましたが、株主優待の期限が延長されても、店舗削減で株主優待が使いにくくなったりするなど、この2週間でさらに状況が悪化しています。
記事では、「今後、新型コロナの影響で企業業績がさらに落ち込めば、優待の廃止や縮小を検討する企業が増える可能性もある。」と締めくくられており、個人投資家が購入する銘柄にも影響するかもしれません。