新型コロナウイルス流行による緊急事態宣言の間、在宅勤務あるいは自宅待機という方も多かったと思います。時間に余裕ができたことや、株価の調整が進んだこともあって、この機会に初めて証券口座を開設された方もいらっしゃるでしょう。

 昨年に報じられた年金の「2,000万円問題」で投資に関心を持ち、投資を始めたという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は各種の統計から、個人投資家の傾向、癖(くせ)を紹介して、今後の参考にしていただければと思います。

個人と外国人は逆?日本株の売買動向

 まずは日本取引所グループ「株式分布状況調査」で個人投資家の売買動向を確認してみましょう。株式分布状況調査は年度単位の調査なので、現在公表されている資料は2019年3月末までの取引を反映したデータになります。

 購入金額から売却金額を引いたネットの売買動向を見ると、個人の株取引は売り越しが続いています。一方、海外投資家は大きく買い越すこともあれば、売り越すことがあったりと、相場の状況に応じて機動的に売買をしているように見えます。

▼個人、海外投資家の売買動向(単位:億円)

出所:日本取引所グループ「株式分布状況調査」(2018年度)をもとに筆者作成