本日の注目通貨

ドル/円:今週のレンジ予想:106.57円から108.61円

 今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は107.59円。107.59円より上ならばドル買い優勢、107.59円より下ならばドル売り優勢。先週のNY終値は107.61円。

 ドル高方向は108円台が強い抵抗ゾーン。最新位置情報で確認するとピボットの第1、第2レジスタンスがあり、また2019年の中心値で中期的なブルベアの分岐点と考える108.20円も位置している。まずは19日の高値108.09円を超えられるかどうか。109円台は輸出の売りが多い模様

 ドル安方向は、106円台が強い支持ゾーン。最新位置情報で確認するとピボットの第2、第3サポートがあり、また2020年の中心値106.70円も位置している。5月のこれまでの安値は105.98円。105円台を抜けると次の大きなサポートは101円台までなし。

114.55円 : 2018年 高値
113.82円 : 2018年 12月 高値

112.40円 : 2019年 高値
112.22円 : 2020年 高値 (02月20日)

111.71円 : 03月 高値 (03月20日)

109.38円 : 04月 高値 (04月06日)
109.12円 : 第3レジスタンス(HBO)

108.61円 : 第2レジスタンス
108.20円 : 2019年 中心値
108.11円 : 第1レジスタンス
108.09円 : 05月 高値 (05月19日)

107.59円 : ピボット

107.09円 : 第1サポート
107.03円 : 05月 中心値  

106.70円 : 2020年 中心値
106.57円 : 第2サポート
106.08円 : 第3サポート(LBO)

105.98円 : 05月 安値 (05月06日)

101.17円 : 2020年安値(03月06日)
100.07円 : 2016年 09月 安値
99.53円 : 2016年 08月 安値

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

「勝ち組」「負け組」通貨ペア(5月1日 ~ 5月22日)

 5月、最もパフォーマンスが良い(上昇した)「勝ち組通貨ペア」はメキシコペソ/円の8.94%。原油価格の反発上昇が追い風になりました。メキシコ中銀は今月50bp利下げしましたが、インフレを暴走させずに景気を刺激する妥当な利下げ幅だったとマーケットは一定の評価。

 上昇しているのはメキシコペソだけではなく、南アランドやトルコリラなど新興国通貨も今月の勝ち組グループ入り。過去最安値を更新して瀬戸際に追い詰められましたが、新型コロナの過度の警戒感が解けたことが幸いして買い戻しにつながりました。南アランドとトルコリラは先週利下げしたが、売り材料にはならず。とはいえ危機が去ったわけではない。急落するリスクは常にあります。

 一方、最もパフォーマンスが悪い「負け組通貨ペア」はポンド。新型コロナに対する英政府の対応の慎重さに加え、年末のノーディール・ブレグジット(合意なき離脱)のリスクが高まっていることが理由。

 先週負け組だったNZドルは少し順位を上げました。ユーロは良いニュースが出たわりにはさえない。

IMMポジション推移(円、ユーロ)(2018年5月 ~ 2020年5月)

 

 CFTC(全米先物取引委員会)公表によるシカゴIMMの通貨先物ポジション状況は、円が2万7,470枚の「ロング(約32億ドル相当のドルショート/円ロング)」。ユーロは7万2,562枚の「ショート(約91億ユーロの、ユーロロング/ドルショート)」。したがって全体としてIMMは巨大な「ドルショート」ポジションを持っていることになる。ただ、ポンドと豪ドルに対しては、枚数は小さいもののドルロング(豪ドルショート、ポンドショート)。