日足チャートの状況は着々と改善

 先週末5月22日(金)の日経平均終値は2万388円でした。前週末終値(2万37円)からは351円高、週足ベースでも上昇に転じています。

■(図1)日経平均(日足)の動き(2020年5月22日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 まずは、いつもの通り足元の状況から確認します。

 先週の日経平均の推移を振り返ると、週初の18日(月)は前週末終値付近での小動きでしたが、翌19日(火)になると一段高を見せ、目先の目標となっていた75日移動平均線に到達しました。そして、この線に沿うような値動きのまま週末を迎えています。

 また、週間の高値は2万734円でした。これまでのレポートで注目していた3月6~9日に空けた「窓」をほぼ埋めた他、移動平均線では5日線が75日線を上抜ける「ゴールデン・クロス」も出現しています。

 このように、日足チャートの状況は着々と良くなっている印象ですが、窓空けに注目すると、4月下旬からの日経平均は「窓空けで上昇した後に売り押され、再び窓を空けて上昇」といったリズムが繰り返されていることが分かります。

 買いが続かない割に株価水準自体は切り上がっていく展開のため、取引で利益をねらうのが難しかった局面と言えます。当然ながら売買も盛り上がりにくく、実際に21日(木)と22日(金)の東証1部の売買代金は2日連続で2兆円を下回っています。しかもこの両日は、前日終値よりも高く始まっていますが、結局マイナスで取引を終えています。

 そのため、今週の株価が結果的に上昇したとしても、チャートの改善が示しているほど買いの意欲は強くないかもしれません。上値が重たくなると、ちょっとしたことが売りの口実になりやすいことを考えておく必要がありそうです。2万1,000円台をトライする勢いが出るかどうかが注目されます。