中長期的なチャートの形を改善できるか

 最後に、週足でも日経平均の平均足とMACDの状況についても見ていきます。

■(図4)日経平均(週足)の平均足とMACDの動き(2020年5月15日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 週足の日経平均の平均足は4月に入ってから陽線が続き、下段のMACDとシグナルのクロスももうすぐ実現しそうなところまで来ています。この流れでみれば中長期的に下落トレンドからの転換となりますが、先週末時点のMACDがマイナス809円、シグナルがマイナス767円ですので、「0円」ラインからまだかなり下に位置しています。そのため、本格的な上昇トレンド入りと判断するにはまだ時間が掛かりそうです。

 さらに、上段の移動平均線についても、株価が13週移動平均を超えてきたものの、13週移動平均線自体が下向きである他、26週と52週移動平均線を見ても、「デッド・クロス」が実現しそうな状況となっており、移動平均線からはまだ下方向への意識を保ったままです。

 そのため、短期的に強まっている下方向の意識が、「最近までの株高による利益確定売り」なのか、「再下落の始まりなのか」を見極めつつ、中長期的なチャートの形を改善できるかを探ることになり、今週も2万円台の攻防を中心に株価の上げ下げを繰り返すというのが、メインシナリオになりそうです。