米国株市場では短期トレンド転換のサインがすでに出現

 ちなみに、MACDのシグナル下抜けについては、米国株市場が一足早く出現しています(下の図2と図3)。

■(図2)米NYダウ(日足)の平均足とMACDの動き(2020年5月15日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

■(図3)米NASDAQ(日足)の平均足とMACDの動き(2020年5月15日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 米NYダウ平均株価、NASDAQの両方で上段の平均足がともに陰転した後にMACDがシグナルを下抜けしているため、短期的なトレンドが転換し、上昇から下落への意識が強まるサインとなっています。

 今週は、ソフトバンクGをはじめとする企業決算が相次ぐ他、1-3月期GDP(国内総生産)や3月機械受注、4月貿易統計といった経済指標など、国内のイベントが多くなっています。また、21日には緊急事態宣言の追加解除の判断もされる予定ですが、日本は株式市場もコロナ対応も世界から出遅れ傾向にあるため、基本的な相場の方向感は海外市場の動向やムードに左右されることになります。とりわけ、先週も株価の上値を抑えた米中関係の動向がカギです。

 米国からの圧力が強まる中、中国では今週22日から全人代(全国人民代表大会)が開幕します。全人代は中国国内に向けたアピールという側面があり、メンツを重視する中国としては、このタイミングで米国に対して強気に出ざるを得ず、さらに米中関係がより悪化してしまうという展開には警戒が必要かもしれません。