一時2万円を回復した日経平均株価。コロナ・ショックは終わり上昇か、もしくは更なる下落になるのか。今後あり得るシナリオと投資戦略を考えてみたいと思います。

日本株もバブル再開なのか?

 コロナ・ショックの株価急落により、日経平均株価は1月17日の2万4,115円95銭から、3月19日の1万6,358円19銭に下落。率にして32.2%の下落となりました。実質的には1カ月弱で30%の下落です。

 その後は反発に転じ、4月30日には2万365円89銭まで上昇、下げ幅の半値戻しの水準にまで達しました。

 ここからの株価の見通しとして、「日本株は再びバブルになり株価上昇が続く」という見方がある一方で、「二番底をつけにいく」とか「世界大恐慌に匹敵する株価下落になる」という意見もあり、専門家の間でも見解が分かれています。

 果たして日本株はバブル再開となるのか? それとも再び下落に転じるのか? 筆者は将来を予想しても当たらないので、予想はしません。その代わり、今後考えられるシナリオと、それを受けての中期的な戦略を考えてみたいと思います。

金融緩和と実体経済の綱引き

 バブル再開論を唱える人の根拠は、コロナ・ショックにより各国が実施したさらなる金融緩和です。

 もともと世界中で金融緩和が行われていてバブルになっていたところ、コロナ・ショックをきっかけにさらに追加的な金融緩和が実施されることになります。

 一方、実体経済はボロボロです。1-3月期のGDP(国内総生産)は世界各国でリーマン・ショック以来の大幅なマイナスとなりましたが、実際にロックダウン等により経済に悪影響が現れたのは3月からです。

 もし4月以降も経済が動かない状態が続くのであれば、4-6月期のGDPはとんでもなく悪い数字が出てくるはずです。

 このように、金融緩和に注目する人は株価上昇やバブルを予想し、実体経済に着目する人はさらなる景気悪化やそれに伴う株価下落に警戒している、というのが実情です。