4月雇用統計の予想

 米労働省労働統計局(BLS)は、5月8日に4月の雇用統計を発表します。4月の非農業部門雇用者数はさらに悪化して2,100万人減り、失業率は戦後最悪の16.0%に急上昇するというのが市場予想です。アメリカの労働力人口の6人に1人以上が職を失った計算です。

 下のグラフを見ていただくと、米雇用市場の急激な悪化ぶりが視覚的によくわかります。このグラフは、非農業部門雇用者数変化と失業率の推移を示しているものですが、今回のデータがあまりに凄まじいため、もはや推移グラフとしての価値がなくなってしまいました。

 しかも、失業率はまだピークを打ったわけではなく、まだ上昇するおそれが高いのです。カプラン・ダラス連銀総裁は、米国の失業率が第2四半期に「20%になる」可能性があると警告しています。年後半には改善するとの見方もありますが、新型コロナ終息がまだ見えない中で大きな期待を持つことはできません。

 米労働省は、4月19日から25日までの1週間の失業保険の申請件数が383万件にのぼったと発表しました。非常事態宣言の3月中旬以降、およそ1月半の間に申請数は3,000万件を突破しています。