2:シンプルなファンドを「自分で」組み合わせる

 どの資産クラスにいくら投資するかが決まったら、例えば「国内株式」に投資するファンドをどれにして、「外国株式」に投資するファンドをどれにするか、といった調子で、資産クラスごとに投資する商品を選ぶ。

 この際に、1ファンドの中で、内外の株式・債券に投資し、その配分比率を運用者が調節する「バランス・ファンド」には投資しない方がいい。理由は二つあって、一つ目は、バランス・ファンドに投資すると、資産配分の中身が自分で把握できなくなり、リスクについてよく分からなくなることであり、もう一つの理由は、シンプルなファンドを組み合わせるよりも、バランス・ファンドに投資する方が、手数料が高く付くことだ。

 ファンドを選択する際には、広い範囲の運用会社から選ぶことが原則だ。売買窓口を先に決めて、その窓口で扱っているファンドの中から選ぶ、というアプローチを採ると、最適なファンドを選ぶことができずに損をする公算が大きい。くれぐれも、気をつけて欲しい。

3:信託報酬の高いファンドを除外する

 どの資産クラスにいくら投資するかを決めると、投資家にできることは、手数料が安くて、運用に問題のないファンドを選ぶことだけだ。

 手数料は確実なマイナスのリターンだ。これを削減することは、投資する資産クラスと金額が決まると、投資家側でできる最大の改善努力項目だ。

 手数料にあっては、まず、継続的に掛かる信託報酬に注目したい。同じ資産クラスの中で、他のファンドと比較して明らかに信託報酬が高いファンドは、それだけで投資対象候補から除外していい。

 現状では、どのカテゴリーでも、信託報酬が年率で1%以上あるファンドは、投資対象から除外する方がいい。多くのファンドが外れるが、気にしなくていい。そもそも、選択肢が多すぎるのだから。

4:ファンドの資産規模・流動性を確認する

 ファンドが設定したて、あるいは、資産残高が減って、数億円、十数億円、といった少額で運用されている場合、十分な分散投資ができず運用内容が安定しないし、ファンドが償還されてしまう可能性があるので、様子を見る方がいい。運用資産のカテゴリーにもよるが、大まかには、資産が100億円以上あれば大丈夫だろう。

 ETF(上場型投資信託)は信託報酬率が低くて魅力的な投資対象だが、ETFに投資する場合は、資産残高と共に、売買が活発に行われていて、いつでも不利のない換金が可能かをチェックするべきだ。自分の投資額の千倍くらいの売買代金が常時あるようなら問題はない。