※本記事は2014年3月24日に公開したものです。

誰もが投資信託を選ぶ時代

 先日(3月21日)、両国国技館で行われた「ネットで投信フォーラムin東京」のパネル・ディスカッションの中で、「投資信託は、どう選んだらいいのですか?」という、直球ど真ん中の質問が取り上げられた。

 投資信託は、少額で分散投資ができる個人の資産運用にとって便利なツールだ。徐々に普及範囲を拡げつつある確定拠出年金に加えて、今年からはNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)がスタートしたので、投資信託の選び方は、お金を運用するほとんどの人にとって重要な知識となった。

 確定拠出年金でもNISAでも、リスクを取った運用対象の選択肢は、事実上投資信託に限られる。

 NISAの場合、個別の株式を保有する事も可能だが、個別株の場合、5年間の税制優遇期間の途中で売却したくなるような事情が発生する公算が大きい。株価が利益の伸び以上に大幅に上昇して割高になったり、業績予想が下方修正されたりした場合に、個別株を売りたくなることはあり得るが、NISAでは、途中で売却してしまうと、税制優遇の枠から外れてしまい、この金額分を税制優遇枠内に復活して再投資することができない(制度として改善して欲しい点の一つだが、仕方がない)。

 数千万円~数億円以上の株式ポートフォリオを持っている投資家の場合、ポートフォリオの中の「(たぶん)動かさない部分」をNISAに割り当てる選択が適切になる場合があるかも知れないが、将来なるべく売買しないことを前提に投資を考えるなら、NISA口座内では投資信託に投資するのが現実的だ。

 投資家を意識する人のみならず、今や個人の大半が「投資信託の正しい選び方」を知るべきだ。