テクニカル分析:5日・20日移動平均線いずれも価格は右上がり。反発局面到来か?

図:ビットコイン(円建て)の価格推移と移動平均線 単位:万円

出所:楽天ウォレットのデータをもとに筆者作成

 足元、ビットコイン価格、数日単位の短期的な価格のトレンドの目安となる5日移動平均線、数週間単位の中期的な価格のトレンドの目安となる20日移動平均線の形状は、いずれも“右上がり”です。

 ビットコイン価格は2つの移動平均価格を下回っているものの右上がりで、かつ20日移動平均線を下抜ける懸念があった5日移動平均線は、下抜けずに右上がりに転換したことで、短期的な価格下落を暗示するデッドクロス(※)が形成されることが回避されました。

 目先、2つの移動平均線の“右上がり”が続けば、価格は短期的に、反発局面に入る可能性があります。

※デッドクロスは、短期移動平均線が中期移動平均線を下抜け、下落トレンドが本格的に始まる可能性が生じたことを示すサインです。2つの移動平均線が交差(クロス)する、下落トレンド(デッド)が始まる可能性が生じるため、このように呼ばれています。逆に、短期移動平均線が中期移動平均線を上抜け、上昇トレンドが本格的に始まる可能性が生じたことを示す“ゴールデンクロス”もあります。

ドル建てと円建ての値動き:比価がドル/円から5円離れれば割高・割安感が強まる?

 ビットコインと一口に言っても、価格の単位が“円”のビットコインもあれば“ドル”の単位のビットコインもあります。その他、多数の通貨のビットコインがあるわけですが、価格が円の単位のビットコインを“円建てのビットコイン”、ドルの単位のビットコインを“ドル建てのビットコイン”と呼びます。ここでは簡単に“円建て”“ドル建て”とします。

 円建てもドル建ても、価格は同じ“1ビットコイン”あたりです。4月21日時点で円建ては1ビットコインあたりおよそ74万円、ドル建ては1ビットコインあたりおよそ6,800ドルです。

 同じ1ビットコインあたりの価格であるため、単純に、円建て価格をドル建て価格で割ると、理論的には“ドル/円レート”が出てくるはずです。

 以下は、円建て価格をドル建て価格で割った、円建てビットコインとドル建てビットコインの比価と、その時のドル/円レートです。

図:円建てビットコインとドル建てビットコインの比価とドル/円レート(日足 終値)
単位:円 ※ビットコイン価格は土日も含む

出所:楽天ウォレットのデータなどをもとに筆者作成

 おおむね、比価の変動幅はドル/円の変動幅を上回っています。つまり、本来収まるべきドル/円レートの変動以上に、円建てとドル建ての価格の関係が“ブレている”わけです。

 以下は、比価からドル/円を引いた値です。この値が大きければ大きいだけ(比価がドル/円よりも大きければ大きいだけ)、円建てがドル建てよりも割高である、逆にこの値が小さければ小さいだけ(比価がドル/円よりも小さければ小さいだけ)、円建てがドル建てよりも割安であることを意味します。

図:円建てビットコインとドル建てビットコインの比価とドル/円の差 単位:円
※土日含まず

出所:楽天ウォレットのデータなどをもとに筆者作成

 お互い、どの時間帯の価格を参照するかで様子が異なる可能性はありますが、目安として、比価が5円程度、その時のドル/円よりも離れた場合、割高感・割安感が強まっているとみられます。この点は、円建てのビットコインを購入する際の目安になる可能性があります。