参照する限月は「期近」ではなく取引が最も活発な「中心限月」の方がよい

一時的に価格がマイナス圏に入ったことで、原油相場を悲観的に見るムードがありますが、それは実態の全てを反映したものではないと思います。取引が最も活発な「中心限月」は、先週16日(木)の時点で、5月限から6月限に切り替わっていました。

図:NY原油先物 20年5月限と同6月限の推移
 

出所:CME(シカゴ・カーマンタイル取引所)のデータより筆者作成

 つまり、先週木曜日から現在もそうですが、参照する原油価格は6限であるべきだったわけです。その時、最も期限が近い「期近」のみを見ていると、今回のように、原油相場が大暴落したように見えますが、実態としては、大暴落は、すでに中心限月ではなくなった、米国特有の事情を反映して取引最終日を迎える5月限で起きたものであり、中心限月でおきたものではない、と言えます。