次のトレンドはいつやって来る?

■(図3)日経平均(日足)とギャン・アングル(2020年4月17日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図3は前回も紹介した「ギャン・アングル」です。2月6日高値から3月19日安値の下落トレンドを基準に、その角度の半分である「2×1」ライン、3分の1の「3×1」ライン、4分の1の「4×1」ライン、8分の1の「8×1」ラインを描いています。

 日柄調整が続く場合、下向きのトレンドラインを意識しながら戻りと下押しを試す値動きが想定されますが、先週は3×1ラインを上抜けていきました。次は4×1ラインまで戻せるかが焦点になりますが、これに先ほどの図1で示した「上昇ウェッジ」を重ねてみると、大体10営業日前後に、ウェッジと4×1ラインが交わることになり、その時の株価水準は2万円をやや超えたあたりです。

 このことから、仮に日経平均が2万円台に乗せた場合、さらに上値を追っていくというよりは、定着するのに少し時間をかけてから次のトレンドがやってきそうな印象になっていると言えます。10営業日前後といえば、大型連休明けまもなくのタイミングでもあります。

 冒頭でも触れましたが、大規模な財政出動や金融緩和などによる入念な「憂い」への備えが相次ぐ中、新型コロナウイルス感染のピークアウトや海外の経済活動再開に向けた期待が株高の背景にあります。いわば期待を先取りしているわけですが、実際の感染収束や経済の再開は段階的に行われることになるため、足元の株価上昇にスピードと勢いが出るほど、現実の時間の流れとのあいだにギャップが生じることになります。

 株式市場は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、不安を先取りして下落後、各国の対応によっていったん落ち着き、今度は期待を先取りして値を戻してきましたが、まだフワフワした状態での推移と言えます。こうした株式市場の値動きのスピードに対して、感染拡大・収束のスピードや、政策の実行と効果のスピード、経済持ち直しのスピードなど、今後はあらゆる面でスピード感が重要なカギになってくると思われます。