第2の選択肢:積み立ての中断

 次の選択肢は「積み立てを中断」することです。所得が大きく減少し、掛金を出すことがどうしても苦しい場合は、中断も選択肢です。

iDeCo
 iDeCoの場合は、掛け金の中断をいつでも行うことができます(「加入者資格喪失届」を提出し運用指図者になる)。掛け金中断後も資産は残っているため運用は継続することになります。また、改めて加入者となる手続きをすることで、積み立てを再開することができます(法律上、こちらには年1回の規制がないので、いつでも再開は可能です)。

つみたてNISA
 つみたてNISAの場合は、毎月の購入の計画を変更し、新規購入をゼロにして中断します。こちらも再開は可能です。

第3の選択肢:解約

 最後の選択肢は「解約」です。できれば積み立てを中断したとしても積み立てた額は残しておきたいものです。今の時期、元本割れしている可能性もあります。しかし、借金をするくらいなら、自分の資産を解約して資金使途に充てる方がいいでしょう。

iDeCo
 ただし、iDeCoの場合、解約は基本的に不可能です。国民年金の保険料を免除されている状態(基本的には無職)で、拠出期間が3年以下もしくは資産額25万円以下に限られます。3年以上積み立てをしていた場合(これは企業型確定拠出年金もiDeCoもどちらも期間に数える)は期間の対象外ですし、年間27.6万円(月2.3万円)を1年続ければ資産額の要件もオーバーして解約はできません。

 資産額については評価額が下がったことにより25万円を下回る可能性もありますが、数年積み立てればそれでも25万円以上ということが多いでしょう。どちらの要件も「原則60歳から受け取り」を確定拠出年金制度が求めているため、厳しいものとなっています。

つみたてNISA
 つみたてNISAの場合、解約は自由です。年単位で資産管理されていますから、運用益がまだ残っている過去分などから解約をしていくといいでしょう。運用益非課税のメリットは獲得することができるからです。

苦しい時期でもできるだけ投資を続けていこう

 積み立て継続が困難になったときに検討するべき3つの選択肢を考えてみました。積み立て投資を続けていくに越したことはありませんが、無理をするのも避けなければいけません。

 苦しい時期がまだ続きそうです。特に収入が大幅に減少している場合、積み立ての見直しも考えて、この状況を乗り越えていきましょう。

 そして、うまく乗り越えたら、積み立ての再開、積立額の増額などを忘れずに行っておきましょう(←実は、これが一番難しいことなので、本当に忘れないでくださいね!)。