値上がり率ランキング(5銘柄)

1 オイシックス・ラ・大地(3182・東証マザーズ)

 月前半こそ地合い影響で下落していましたが、マザーズ市場が底入れ感を示した13日以降に急騰。小池都知事が不要不急の外出自粛を要請するなど、自粛ムードの広がりから“巣ごもり関連銘柄”として物色対象になりました。レシピと食材をセットにした宅配サービス(「ミールキット」)の需要が増えるのではないか? という思惑です。

 なお、19日の引け後に、4月9日付での本則市場(東証1部に決定)への指定変更を発表しました。これに併せて、公募売り出しも発表しています。優良銘柄ほど市場から抜けていく、これマザーズの宿命です。

2 フクダ電子(6960・ジャスダック)

 新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、世界中で不足しているのが人工呼吸器。政府の備蓄分も枯渇し始め、日本政府も民間企業に対して増産要請を出す方針と伝わりました。人工呼吸器に関連する医療機器メーカーの株価が物色されるなか、その一角として人工呼吸器含めた治療装置を手掛ける同社も急騰しました。

 これまで流動性の極めて低いバリュー株だったこともあり、その反応も強烈。30日には一時大台1万円を超え、上場来高値を更新しました。2月の月間出来高17.6万株に対し、3月の出来高は前月比約6倍の101.2万株に。

3 リプロセル(4978・ジャスダック)

 アンジェス同様、新型コロナウイルスのワクチン開発への参加表明が月末にかけた手掛かり材料になりました。30日の前場中に、ベルギー本社の「eTheRNA」社を中心とした新型コロナウイルス用ワクチン開発を目指す国際的研究コンソーシアムに参加すると発表。集まった複数の企業の持つそれぞれの技術を活用し、鼻腔内に投与するタイプのワクチン開発を加速するようです。

 タイムリーな強材料ながら、戻り売り圧力はアンジェスより強い印象。信用買い残が500万株前後の高水準を保っているため、信用買いで入った短期勢の売りが重石になっているようです。

4 Chatwork(4448・東証マザーズ)

 昨年9月のIPO以降、株価はいい所無し状態でしたが…新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけとして急に見直された銘柄といえます。国内ではビジネスチャットで知られる同社だけに、テレワークを推進する企業の増加により需要拡大の期待につながったようです。

 なお、30日に一部国内証券が投資判断を最上位「A」で新規カバレッジを開始しています。日本国内でテレワークは注目され始めていますが、「日本国内のビジネスチャット普及率は30%程度で、50~60%程度とみられる米国などと比較して市場の拡大余地が大きい」と指摘。目標株価を2,000円と、レポートリリース時株価の2倍に設定したこともサプライズに。

5 日本スキー場開発(6040・東証マザーズ)

 株価が昨年来安値を更新し続けるなか、9日の自社株買い発表が好感されました。自社株買い枠は、発行済み株数の2.51%に相当する40万株、2億7,000万円上限と。新型コロナウイルスに端を発した株価急落を受け、自社株買いを発表する企業が3月に急増しています。会社側の株主への姿勢を好感したこともありますが、2017年や2018年に実施した自社株買いの約4倍規模の枠設定に気合いが感じられました。

 買付期間は3月10~31日と、短期集中型。で、実績は? というと、この期間に13万5,300株、1億204万円分を買ったことを報告しています。そして、これにて自社株買いは終了するとも発表。気合いを見せましたが、実際買ったのはリリース時の3分の1くらいでした…。