つみたてNISAでなぜ損切りが良くないのか

 同様に、つみたてNISAにおいても、あせって損切りして売るより、回復まで持ち続けたほうがいいと思われます。理由は以下のとおりです。

・年間の投資限度額が40万円と小さく、ドカンと高額の入金をして再投資を仕掛けるような力に欠ける

・売却はNISA枠からの出金となり、再投資した場合は同年の新規つみたてNISA枠を使ってしまう

・NISAの損失は一般口座や特定口座と損益通算することができない
<参考:少額投資非課税口座(NISA口座)内で生じた損失と他の口座(特定口座・一般口座)の利益とで通算することはできますか?

・iDeCoと同様、投資信託が商品の中心なので売買タイミングを計ることはできない

 つみたてNISAで大きい制約は、「毎年40万円」という枠は固定であって、新規入金は「毎月2万円+ボーナス月増額8万円」といった計画を、多くが設定済みであることです。この場合「損失確定はするが、値下がり時期にまた再エントリーする」というような枠は残されていません。基本的には「売って、NISA枠から出す」こととなり、その売却資金については投資が終了することになります。

 NISA枠については売却して損失確定しても、現状、損益通算できないこともあり、持ち続けてプラスにして終わらせたほうがベターだと思います。

 また、投資をした年から数えて20年目の年末まで非課税期間があるわけで、多くの場合、回復を待つ余裕があるでしょう。もちろん、投資期間が15年以上経過した枠については(投資年ごとに管理される)、利益確定をする選択はあり得ます。