iDeCoでなぜ損切りが良くないのか
まず、iDeCoや企業型DC(確定拠出年金)について考えてみましょう。損切りがうまくいかない理由としては、次が挙げられます。
・資金の出し入れを機動的に行えない(特に入金については毎月の少額の掛け金に限られる)
・投資信託が軸となっており、売買タイミングの機動性が低い(基準価額は1日に一度のみ変わり、売買は翌日以降に成立することが多い)
・投資信託がリスク運用の選択肢であり、インデックス運用が中心となっている(保有銘柄だけインデックスより突出して下がることはまずない)
・60歳まで原則として引き出せないため、損失確定したマイナスを取り戻すためには、「売った価格」より低い価格で再購入する必要がある(しかしそう簡単ではない)
そしてこれらは手元資金で個別株を売買するのとは異なった投資条件です。
投資の条件が異なるのなら、売買のルールも違っていいわけで、「持ち続けて市場の回復を待つ」という選択肢は「大いにあり」なのです。
特に「60歳まで受け取れない」ということは、お金の使い道が老後ということですから、アラサー、アラフォーは十分に回復を待つ時間があります。55歳であっても、受け取りを65歳にすれば(継続雇用の間は受け取らない)、回復のための時間を10年持つことができるのです。