バランスシートリスクが相対的に小さい高配当銘柄
バランスシートリスクが小さい高配当銘柄ランキング(3月31日現在)
コード |
銘柄名 |
配当 |
3月末 終値 |
時価 総額 |
過去52週 高値 からの 下落率 |
PBR | 自己資本 比率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
7270 | SUBARU | 6.94 | 2,073.5 | 15,948 | -34.88 | 0.95 | 52.89 |
4061 | デンカ | 5.49 | 2,277 | 2,016 | -34.94 | 0.8 | 51.02 |
9201 | 日本航空 | 5.53 | 1,990 | 6,709 | -48.94 | 0.6 | 57.39 |
5440 | 共英製鋼 | 4.81 | 1,247 | 559 | -46.11 | 0.38 | 54.82 |
5334 | 日本特殊 陶業 |
4.60 | 1,522 | 3,107 | -35.04 | 0.79 | 63.4 |
配当利回り平均(%) | 5.47 |
※配当利回りは会社予想、単位は%。時価総額の単位は億円。過去52週高値からの下落率の単位は%。PBRの単位は倍。自己資本比率の単位は%。
銘柄選定の要件
(1)予想配当利回りが4%以上(2020年3月末)
(2)時価総額が500億円以上(2020年3月末)
(3)過去52週高値からの株価下落率が30%以上
(4)PBRが1倍未満
(5)自己資本比率が50%以上。
1 SUBARU(7270・東証1部)
▼どんな銘柄?
自動車業界大手の一角で、米国向けのウェイトが高いことが特徴です。「レガシィ」「インプレッサ」「フォレスター」などが主力車種となっています。
水平対向エンジンが強みといえます。また、小型飛行機やヘリコプターなどの航空宇宙事業も手掛けます。トヨタが16.7%を保有する筆頭株主になっています。
▼業績見通し
2020年3月期営業利益は2,200億円で前期比21.1%増益の見通しです。第3四半期までは、モデルチェンジの影響などによる海外生産の減少、為替変動の影響で前年同期比1.9%減益となっています。
主要地域である米国の3月新車販売台数は約4割減となっているため、同社業績も下振れの可能性が高いとみられます。また、2021年3月期は米国の需要減少が大きく響く見通しで、収益は半減近くまで落ち込む可能性があるでしょう。
▼ここがポイント
現在、生産調整のため国内外の工場操業を一時休止しています。国内での再開は5月11日を予定、海外の再開予定は4月20日となっています。ひとまずは、計画通りのタイミングで生産が再開できるかがポイントとなります。
一方、業界内では、高水準のネットキャッシュや高い収益性からみて、相対的に減配リスクは小さいと考えられます。また、米国の大胆な金融政策は、自動車購買意欲の高まりにつながる可能性が高く、2022年3月期には業績の急回復が期待できるでしょう。
2 デンカ(4061・東証1部)
▼どんな銘柄?
インフルエンザワクチンや検査試薬などライフイノベーション部門、放熱材料・放熱基板、機能性フィルムなど電子・先端プロダクツ部門、セメントや肥料、無機製品などインフラ・ソーシャルソリューション部門、クロロプレンゴムやスチレン系機能樹脂などエラストマー・機能樹脂部門、建築材料や産業用テープなど生活・環境プロダクツ部門を展開する化学会社です。
中でも、クロロプレンゴムでは世界シェア40%と推定されています。
▼業績見通し
新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、2020年3月期営業利益は従来予想の350億円から310億円に下方修正、前期比9.4%減益となる見通しです。
クロロプレンゴムの主要ユーザーである自動車業界は、足元で生産量が大きく落ち込んでいるため、2021年3月期業績も前半を中心に苦戦を強いられそうです。
インフルエンザワクチンや検査試薬などの早期寄与も見込みにくいでしょう。一方、足元の原油市況下落による原材料価格の低下が見込めることは収益の下支え要因となります。
▼ここがポイント
国立感染症研究所と新型コロナウイルス感染症の診断法開発に関する共同研究契約を締結し、簡易検査キットの開発を進めています。体外診断薬の国内薬事承認を取得することを前提に、1年以内に最大1日10万検査分の量産体制構築を目指しているようです。
また、政府の要請を受けて、抗インフル薬「アビガン」の原料となるマロン酸ジエチルの供給を決定、5月から生産を開始する予定とも発表しています。