売られすぎ銘柄の中でも財務体質での選別が必要に

 2020年3月期末の配当権利取りが終了し、現在は高配当利回り銘柄への関心が薄れるタイミングであるといえます。

 また、2020年3月期から2021年3月期にかけては企業収益の大幅な悪化も想定されることで、新年度の減配をアナウンスする銘柄も増えると考えられます。

 とりわけ、高配当利回り銘柄の減配予想は株価へのネガティブインパクトが強まりやすいとみられるため、今年に関しては、高配当利回り銘柄の投資タイミングは、4月中旬から5月中旬にかけての決算発表を確認後になると判断します。

 仮に、現状で高配当利回り銘柄を選好するのであれば、自己資本に厚みのある銘柄が妙味といえるでしょう。

 バランスシートが良好な銘柄は、一時的に業績が悪化しても配当を維持できる体力が相対的に強いと考えられ、現在のような株価下落場面では、自社株買いを積極的に行うことも可能とみられるためです。もちろん、信用リスクが小さいことも挙げられるでしょう。

 そこで今回は、高配当利回りで自己資本比率が高い銘柄をスクリーニングしています。加えて、直近の株価下落率が大きく、PBR(株価純資産倍率)水準が1倍を割り込む割安な水準になっているものを選別しています。将来的な水準訂正余地が大きいと考えられます。