3月雇用統計の予想

 今回の予想はどうなっているでしょうか。米労働省労働統計局(BLS)が4月3日に発表する3月の雇用統計の予想は、非農業部門雇用者数が10万人「減り」、失業率は3.8%に「上昇」となっています。

 しかし、これでもまだ控えめな予想だと思います。3月26日に発表された新規失業保険申請件数は前代未聞の増加となりました。新規失業保険申請件数というのは、失業者が失業保険給付をはじめて申請した件数で、失業率を予想するうえで重要なデータ。マーケットも当然悪くなることは承知していましたが、ふたを開けてみると328.3万件と、事前に大方が予想していた160万件を倍以上も上回ったのです。ちなみにその前の週は28.2万件で、過去15年間の平均は33.5万件。これまでの最大件数は2009年金融危機の時の66.5万件ですから、この数字がいかに桁外れなのかわかります。しかも、この統計にはNYの都市封鎖(ロックダウン)は含まれていません。

 ですので、雇用統計の雇用者の減少数は、予想より遙かに悪くなる可能性もあることを覚悟したいと思います。そして、来月は今月よりもっと悪くなるだろうことも。カプラン・ダラス連銀総裁は、今後数カ月内に「失業率は15%近くまで上昇する可能性」があると発言しています。