中長期の株価メド:基本の想定レンジは1万8,525~2万786円

 続いて、週足チャートで中長期の株価メドについても見ていきます。

■(図3)日経平均(週足)の動き(2020年3月27日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図3に描かれているのは、2016年6月24日週の安値1万4,864円から2018年10月5日週の高値2万4,448円までの上昇幅に対するフィボナッチ・リトレースメントの押し目ラインです。最近までの株価急落によって、76.4%押し(1万7,125円)割れの水準まで一気に下落した後、先週の値動きで50%押し(1万9,656円)あたりまで戻してきたというのが現在の状況です。

 チャートを過去にさかのぼると、値動きがまとまっている箇所が見られます。具体的には、2017年から2018年にかけての38.2%押し(2万786円)~61.8%押し(1万8,525円)の範囲、もうひとつは、2018年から2019年半ばにかけての23.6%押し(2万2,186円)~50%押し(1万9,656円)の範囲です。

 そのため、今後の相場は50%押しを中心とした38.2%押し~61.8%押しの範囲内が基本の想定レンジとなり、事態が改善すれば上方向の23.6%押し、反対に悪化すれば再び76.4%押しまで動くというのがざっくりとした目安になります。

 先週の日経平均は、株価の下げ過ぎによる「オーバーシュート」が修正されるような格好で上昇しましたが、肝心の新型コロナウイルスについては世界的な拡大傾向が続いており、国内でも海外への渡航自粛や、首都圏住民に対する週末の外出自粛が要請された他、非常事態宣言への警戒など、こちらは感染拡大という「オーバーシュート」の懸念が高まっている状況です。

 また、今週は国内の日銀短観や中国のPMI(購買担当者景気指数)、米国ではISM景況感指数や雇用統計など多くの経済指標が予定されています。新型コロナによる実体経済への影響度を探る相場地合いの中で、株価は戻り基調を継続できるのか、それとも反対に再び下落に向かっていくのか、ふたつの「オーバーシュート」の行方が相場のムードを左右することになりそうです。