先週の「ジャンル横断・騰落率」を受けた今週の見通し

 先々週に続き、先週もジャンルを横断し、多くの主要銘柄が下落したのは、原油相場の下落の他、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が挙げられます。

 すでに世界では、米国を含む10を超える国で、新型コロナウイルスの感染拡大に対し、非常事態宣言が発令されています。日本では“まだその状態ではない”ものの、3月13日(金)に新型コロナウイルスを新型インフルエンザ等対策特別措置法の対象にする改正法が成立し、非常事態宣言を発令する準備が整いました。

 また、米欧日などの先進国の中央銀行が、同ウイルスの感染拡大を受けて世界経済に大きな打撃を与えていることを受け、緩和的な措置を実行または実行することを宣言し、金融面での協調体制が整いつつあります。

 それに加えて、G7(先進7カ国)は、同ウイルスへの対策を話し合うため、16日(月)に電話会議を行うことを決めており、感染拡大を防ぐことや、足元の経済情勢を回復させるための具体的な施策が話し合われるとみられます。

 先述のとおり、同ウイルスの発祥の地である中国では、感染者の拡大が小規模になってきていますが、目下、イタリアでは爆発的に、そして米国でも日に日に感染者が拡大していることから、世界全体としては、全く予断を許さない状態です。

 国を超えた協調体制による各種施策が功を奏し、新型コロナウイルス感染拡大が早期に鎮静化することが望まれます。同ウイルスの世界的な感染拡大が与える甚大な影響は、心理的な面だけでなく、実体経済にも及びます。

 実体経済への影響を把握する上で重要な手がかりとなるのが、随時公表される各国の経済指標です。今週は、複数の主要国で、2月の景況感を把握する上で重要な、同月の小売売上高や鉱工業生産が公表されます。

 2月は、中国で月初から月半ばまで爆発的に感染が拡大し、欧米で月半ばから下旬にかけて爆発的な感染が始まった月でした。この2月の小売売上高や鉱工業生産の内容は、各国での感染拡大が実体経済にどのような影響を与えたのかを知る重要な手掛かりとなります。

 3月16日(月)に、中国で2月の小売売上高と鉱工業生産が、17日(火)に、日本で2月の鉱工業生産、米国で2月の小売売上高と鉱工業生産が公表されます。

 その他、先述の金融面での経済対策に関連し、週明け早々に米国が緊急利下げを行いました、3月17日(火)から2日間にわたり、FOMC(米連邦公開市場委員会)が行われ、2日目の18日(水)には、政策金利の公表とパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の会見が予定されています。

 今週は、各国の経済指標の内容をにらみながら、各国の経済対策、金融政策の内容が今後に期待を残すものかどうかを見極める週になりそうです。また、先週幅広い銘柄の下落要因にになった原油相場がどの程度反発するかどうかにも注目です。

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