どこまで株価が戻せるか。1万8,200円台あたりが当面の目安に

 となると、「株価が戻した場合、どこまで戻せるか?」と、「再び下落に転じる可能性はないのか?」の両面で今後のシナリオを考える必要があります。

 最初に「どこまで株価が戻せるのか?」から見ていきますが、ここで登場するのはTOPIX(東証株価指数)です。

■(図3)TOPIX(週足)とギャン・アングル(2020年3月13日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 高値圏から急落を迎えた日経平均とは異なり、TOPIXは2018年1月26日の週をピークにして高値が切り下がっていて、中長期的にはすでに下落トレンド入りしています。

 そのため、週足のTOPIXでは図1の日経平均と同じように、2016年6月24日週から2018年1月26日週を設定期間とした右肩上がりのギャン・アングル(赤色)とは別に、2018年1月26日週から2018年12月28日週を設定期間とした右肩下がりのギャン・アングル(青色)を描くことができます。この二つ目のギャン・アングル(青色)を下落トレンドの中での戻りの目安の参考にします。

 先週末時点のTOPIXの株価位置は2×1ラインを下抜けたところです。今後の株価が順調に戻りを試す展開となった場合、2×1ラインや3×1ライン、そして4×1ラインがその目安として意識されることになります。具体的には、先週末時点での2×1ラインが1,322p、3×1ラインは1,470p、4×1ラインは1,620pです。

 同じく先週末時点のNT倍率(日経平均÷TOPIX)は13.81倍でした。このNT倍率を元に日経平均を単純に計算すると、2×1ラインは1万8,256円、3×1ラインは2万300円、4×1ラインは2万2,372円となります。

 普通であれば、2×1ラインの1万8,200円台あたりが当面の戻りの目安となりますが、最近の値動きが荒っぽくなっているため、意外とあっさり3×1ラインの2万300円以上の水準まで戻る場面があるかもしれません。