イベント中止は中長期に悪影響

 イベント自粛というと、まずはイベントから生じる売上がなくなることが思いつきますが、その他にも様々な悪影響が生じます。イベントを開催するため、あるいは参加するために投じた費用が回収できなければ、財務状況が悪化します。

 また、イベントがビジネスマッチングや商談などの場になることもあれば、貴重な情報収集の場になることも多く、そうした機会が失われれば、先々の利益にも悪影響が出ます。

 イベントの重要性は世界的にも関心が高く、大規模な会議や研究会、展示会が開催できる会場の需要は増加しています。山手線の新しい駅となる高輪ゲートウェイ駅の開発計画でも国際会議等に対応したコンベンション・カンファレンスやビジネス支援施設の建設を予定しています。

 真新しい住居隣接のオフィスビルというだけではビジネス環境としては不十分で、日本に大規模な会議や展示会ができる施設が不足しているという問題もあります。

 新型コロナの影響で開催可否が取り沙汰されている東京オリンピック・パラリンピックですが、日本展示協会を中心とした意見広告:日本経済新聞(2018年9月26日付朝刊)によると、東京ビッグサイトが最大20カ月間に国際放送メディアセンター(IBC/MPC)として利用されるため、展示会や見本市が中止になり、約2兆円の売上が失われるとしています。

 東京ビッグサイトは3月のイベントが全面中止、4月のイベントも中止の情報が相次いでいます。仮に、4月のイベントも全て中止になれば、単純計算で2,000億円の売上が失われることになります。東京ビッグサイトほどの大規模施設は少ないですが、全国でイベント中止が相次いでいるので、おそらくこの何倍もの影響があるでしょう。そして、売上が減れば、資金繰りが厳しくなります。