●発送電分離が必要な理由

 発電事業への新規参入が認められ、電力小売りも完全自由化された時点で、形の上では、電力自由化は完成しているとも言えます。

 自由化によって競争を促進すべきなのは、発電事業と電力小売り事業までだからです。送電・配電事業は、自由化が予定されていません。仮に自由化しても、巨額な設備投資が必要な送電・配電事業に新規参入する会社は現れないと考えられます。

 ところが、形だけ自由化しても、既存の電力会社が強すぎるので、発電・小売り事業への新規参入は思うように増えていません。さらに競争を促進するために、「発送電分離」が必要と考えられています。

 既存の電力会社から、送電・配電事業を分離し、発電事業と小売り事業を新規参入業者とイコールフッティング(条件を同一)にすることが、競争促進に必要と考えられています。