下値への不安が強い

 となると、こうした値動きが「次の上昇に向けたエネルギーを蓄積している」のか、それとも「下値不安がくすぶる中でひとまず様子見にとどまっている」のかが気になるところです。

 そこで、先週末の14日(金)の取引に注目します。この日はオプション取引およびmini先物取引のSQ日だったのですが、そのSQ値が2万3,744円でした。この日の日経平均の高値(2万3,738円)がSQ値に届いておらず、いわゆる「幻のSQ」となっているため、現時点では下方向への意識がやや優勢なのかもしれません。

 実際に、下方向への意識はTOPIX(東証株価指数)の状況からも感じられます。

■(図2)TOPIX(日足)の動き(2020年2月14日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先ほどの図1では、日経平均の窓埋め回避と25日移動平均線のサポートを確認しましたが、一方のTOPIXは窓埋めの値動きを見せていた他、75日移動平均線も下抜ける格好となっています。上値を結んだ線もやや右肩下がりとなっており、チャートの形は日経平均よりも弱くなっていると言えます。

 ちなみに、先週の日経平均とTOPIX値動きの差は、ソフトバンク株の影響が理由のひとつとして考えられます。日経平均への寄与度が高いソフトバンクの株価は先週大きく上昇する場面がありました。

 さらに、先週末の日経平均先物取引が大阪取引所で2万3,490円、CME(シカゴ)で2万3,530円と下落して終えています。今週の日経平均は下落してのスタートが想定されますが、ちょうど14日(金)時点の75日移動平均線の価格(2万3,479円)と同じ水準です。