先週の日経平均は再び下落。25日移動平均線がサポートに
先週末2月14日(金)の日経平均株価終値は2万3,687円でした。前週末終値(2万3,827円)比は140円安で、週足ベースで再び下落に転じています。
先週も新型肺炎ウイルスをめぐる情勢に左右されやすい相場地合いが続きましたが、先週の値動きで何か変化の兆しなどは見られたのでしょうか?
早速、いつもの通り下の図1で足元の状況から整理していきます。
■(図1)日経平均(日足)の動き(2020年2月14日取引終了時点)
前回のレポートでは、日経平均は「新型肺炎ウイルスに対する不安と期待でゆらいだ2万3,000円~2万4,000円台のあいだで落ち着きどころを探る可能性が高い」ことと、「2月5日から6日に空けた窓を埋めにいく展開に注意」という2点を指摘しましたが、上の図1を見ても分かるように、後者のような窓埋めにいく動きにはならず、25日移動平均線がサポートとして機能していました。
また、週間の値幅(高値と安値の差)も305円と比較的狭くなっていて、前週の値幅が1,200円を超えていたことを踏まえると、値動き自体は落ち着きを見せていた印象があります。
下値への不安が強い
となると、こうした値動きが「次の上昇に向けたエネルギーを蓄積している」のか、それとも「下値不安がくすぶる中でひとまず様子見にとどまっている」のかが気になるところです。
そこで、先週末の14日(金)の取引に注目します。この日はオプション取引およびmini先物取引のSQ日だったのですが、そのSQ値が2万3,744円でした。この日の日経平均の高値(2万3,738円)がSQ値に届いておらず、いわゆる「幻のSQ」となっているため、現時点では下方向への意識がやや優勢なのかもしれません。
実際に、下方向への意識はTOPIX(東証株価指数)の状況からも感じられます。
■(図2)TOPIX(日足)の動き(2020年2月14日取引終了時点)
先ほどの図1では、日経平均の窓埋め回避と25日移動平均線のサポートを確認しましたが、一方のTOPIXは窓埋めの値動きを見せていた他、75日移動平均線も下抜ける格好となっています。上値を結んだ線もやや右肩下がりとなっており、チャートの形は日経平均よりも弱くなっていると言えます。
ちなみに、先週の日経平均とTOPIX値動きの差は、ソフトバンク株の影響が理由のひとつとして考えられます。日経平均への寄与度が高いソフトバンクの株価は先週大きく上昇する場面がありました。
さらに、先週末の日経平均先物取引が大阪取引所で2万3,490円、CME(シカゴ)で2万3,530円と下落して終えています。今週の日経平均は下落してのスタートが想定されますが、ちょうど14日(金)時点の75日移動平均線の価格(2万3,479円)と同じ水準です。
今後は75日移動平均線の攻防。予想レンジは?
新型肺炎の動向についても、残念ながら国内で亡くなられた方が出てしまった他、感染者の増加も懸念される状況にあります。事態が収束に向かってくれれば良いのですが、今後も感染が拡大してしまい、日本が「感染当事国」として見なされるようになってしまうと、外国人投資家からの買いが手控えられる可能性があります。
そして、先週の米国株市場では主要3指数(NYダウ平均株価・S&P500・NASDAQ総合)が史上最高値を更新していたにもかかわらず、その動きに日本株がついていけなかったことも考慮すると、思っている以上に株価が下振れてしまうシナリオがくすぶっている点には注意する必要があるかもしれません。
したがって、今後の日経平均は、まずは75日移動平均線の攻防を中心として、下の図3のように25日移動平均線を基準とするエンベロープのマイナス3%への範囲内で下げ止まれるか、そして25日移動平均線まで戻せるかがメインの予想レンジとなりそうです。
■(図3)日経平均(日足)のエンベロープ(25日移動平均線・2020年2月14日取引終了時点)
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