人気トップ6の業績をチェック

 優待銘柄を選ぶ時、「優待内容」「配当利回り」だけで決める方もいますが、株式投資である以上、最低限、足元の業績はチェックしましょう。まず、人気トップ6の前期から今期にかけての連結営業利益の推移を見てください。

 前期・今期とは、2019年2月期・2020年2月期のことです。ただし、ビックカメラのみは、2019年8月期・2020年8月期のことです。

2月優待人気トップ6の連結営業利益:前期実績と今期会社予想

出所:各社決算短信より作成。営業利益率は、今期営業利益(会社予想)を今期売上高(会社予想)で割って算出

 上の表の通り、6社とも今期は増益が見込まれています。中でも、営業最高益が見込まれている4社(イオン、クリエイト・レストランツHD、コメダHD、イオンモール)は、業績面で長期投資対象として魅力的と考えています。

 ただし、クリエイト・レストランツHDに今投資するのは、タイミングが良くないと思います。株価が急騰した直後だからです。1月14日に、2020年3月1日付けで株式分割(1株→2株)を実施することと、それに伴う株主優待の大幅拡充を発表したことが好感されました。

クリエイト・レストランツHDの株価週足:2019年1月4日~20年1月29日

「優待投資でも、株式投資である以上、業績は見て投資しましょう」と申し上げましたが、それは「業績好調の会社だけ買い、業績不振の会社は避けましょう」と言っているわけでは、決してありません。
 どんな企業も長い年月のうちには、業績が良くなったり悪くなったりします。業績が低迷している時は株価が安くなっているので、もし将来回復が見込まれるならば、安く買う好機かもしれません。一方、増益銘柄でも、近い将来減益になりそうならば、投資タイミングは良くないと考えるべきです。

 業績を見るとき、もう1つ見るべき重要ポイントがあります。営業利益率の高さを見ることです。競争力が強く、収益基盤が堅固な銘柄は、一般的に営業利益率が高くなります。上の表で見ると、コメダHDとイオンモールは、営業利益率が高く、収益の安定性を評価できます。
 他の4社(イオン、ビックカメラ、吉野家HD、クリエイト・レストランツHD)は、営業利益率の水準は物足りなく、収益基盤が堅固とは言えません。

 ちなみにイオンモールは、イオンの子会社です。親会社のイオンよりも、子会社のイオンモールの方が、成長性・収益力が高いことが分かります。